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梅雨の始まりとともにある3首

○ウズクマッテハミアゲタリシテ

重ね雲
鳥の羽音は
解けゆきて
聞こえ飛び立て
つばめの巣から

○墓参りの折に

墓の中
潜(ひそ)みて
ため息ひとつ
巡りめぐるは
私の内(なか)の
悪鬼羅刹

○梅雨が始まっていこうとしている空を見て

呵りいらだつ
曇天に
ぽかりうかんだ口ひとつ
色変わりする
紫陽花よ

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