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トーセイ(8923)について

私の主力株であるトーセイ(8923)ですが、明日、2023年11月期の決算発表がありますので、それに先だって、少しトーセイについて書いておこうかと思います。

私が、トーセイ株を保有するようになったのは、株式投資をはじめてからまもなくの2007年の年末か2008年の年初ころで、2007年のはじめには約150,000円であった株価が約60,000円にまで下がってきていて、PERやPBRの指標上、かなり割安になっていたことから、特に深い考えもなく購入したのがはじまりでした。
そして、私が購入してからまもなくして2007年11月期の決算発表があったのですが、1株あたり純利益は2006年11月期の7,405円から約60%アップの12,095円、2008年11月期の予想は、さらに約50%アップの17,868円というものでした。当日の終値は60,000円ちょうどで、PERは実績で4.96、予想だと3.35にまで達し、配当利回りも実績で3.66%、予想だと5.83%となり、さすがに株価は大きく持ち直すだろうと私は思いました。
ところが、翌営業日の15日、始値が64,500円ではじまった取引は60,000円と65,000円の間で一進一退となり、最終的に61,500円で引けました。
その後、トーセイの株価は、2008年7月ころから急速に下がっていき、それに応じてナンビン買いを続けていましたが、10月ころには株価は1万円台に突入しました。
このころ、不動産業の会社はリーマンショックによりばたばたと倒産していっていたので(トーセイの経営者である山口誠一郎氏の著書「倒産から3つの上場へ 見えない扉をひらけ!」によれば、不動産業界の上場企業約150社のうち40社が倒産したとのことです。)、トーセイも倒産してしまうのではないかという強い不安があり、私は何度かトーセイのIRに電話して、気になることなどを質問したりしていました。トーセイの担当者は、私のつたない質問にも丁寧に回答してくれて、しかも、電話で問い合わせをするのは大変なので、問い合わせフォームを設置して欲しいことや、株主が不安に思ったり、会社に質問したいと思うことがだいたい同じだと思うから、株主からよく問い合わせがある事項については、よくある質問と答えのようなコーナーをウェブサイト上に設置しておいて欲しい旨を要望したところ、なんとその次の決算発表のときに、どちらも実現してくれたのでした。
また、トーセイのIRサイトは情報が充実しているし、通期決算と第2四半期決算のときには決算説明会動画を公開してくれることから、それらを確認することによりトーセイという会社のことをよく知ることができました。
私は、零細一株主に過ぎない私の要望を軽視しなかったことに好感を持ったということもありますが、なによりトーセイが、安く買って高く売ることによって利益を得ることだけでなく、様々な手法を駆使して当該不動産の価値自体を向上させること(バリューアップ)によって利益を得ることも重視していて、実際にもバリューアップについてのノウハウが相当に蓄積されていて、他社が一朝一夕で模倣できるようなものではないことを高く評価しました。さらに、経営者である山口誠一郎氏も信頼に値する人物であると感じたことから(トーセイは良くも悪くも山口誠一郎氏のワンマン企業としての性質が強い会社のようです。)、トーセイをメインの投資対象とすることとしました。
私は、トーセイだけに投資していくと決意したわけではないのですが、現在まで、トーセイと同程度かそれ以上に魅力的に感じられる会社に出会うことはなく、現在もなおトーセイに対する投資額だけが特出した状態が維持されています。

そんなわけで、私はトーセイへの投資を約16年くらい続けていて、今後も株価が相当に上昇して割高に感じられるようになってしまうまでは投資を継続する予定です。
トーセイへの投資を始めてから現在までの間、トーセイはその業績を順調に伸ばし(特にファンド事業における受託資産残高(AUM)の増加は目を見張るものがあり、現在では国内最大級にまで達しました。)、それに伴って株価も基本的には右肩上がりに推移しています。
また、トーセイは、リーマンショック後、金融恐慌の再来に備え、①賃貸・管理・ファンド等の安定事業の拡大、②含み益の乗った流動資産を固定資産に移し替える、③予定した程度の利益を確保できた場合には、物件の売却を翌期に繰り越して、利益の発生を翌期に繰り越す(そのため、トーセイは第1四半期の売上げが他の四半期よりも高いことがとても多い。)などの備えをしていて、これらの備えによってリーマンショックのときよりも防御力は格段に上昇しているはずなので、再びリーマンショック級の金融恐慌が起きたとしても、さほど心配せずにいられるのではないかと思っています。
ただし、トーセイの現在の株価はとても割安というほどでもないし、マイナス金利政策の解除及びそれに伴う金利水準の上昇は不動産業には基本的に逆風であることからすると、現在の水準から積極的に買い進めていくのがよいとも言いがたいような気もします。

さて、明日の決算ですが、すでに連結売上高の10%以上に相当する額で「T's Logi 青梅」という物流施設を売却していて、これによって相当額の利益を確保していると思われるし、ホテル事業も23年11月期よりもかなりよくなると思われますので、24年11月期の予想はそれなりによい数字になるのではないかと思います。ただ、業績予想の数字が良かったとしても、週明けの株価があがるかといったら、過度な期待は禁物だと思います(とりわけ、トーセイは、好決算なのに売り込まれることがよくあります。)。
トーセイについては、モルガンスタンレーが2023年の8月から空売りをしていて、11月以降は空売り残高が縮小傾向にありますが、1月5日時点でなお1.39%の空売り残高があるとのことで、これが短期的な株価の推移に何らかの影響を及ぼすことがあるかもしれません。
いずれにせよ、私は、いつもと同様、上がったら少しずつ売り、下がったら少しずつ買い戻すという取引を淡々と行う予定です。

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