Jリーグ入会目前のクラブと退会間際のクラブ
J3クラブライセンス判定結果
来季からのJリーグ参入資格の一つとなる、入会を希望するクラブに対するJ3クラブライセンス判定結果が公開された。新規のライセンス取得は高知ユナイテッドSCと栃木シティFCの2クラブで、昨年ライセンス取得していた5クラブはいずれもライセンスを維持し、計7クラブにライセンスが交付されている。
昨年は高知が申請するも判定辞退で不交付、レイラック滋賀FCは他クラブより少し遅れて交付されたが、今年は申請した各クラブに対してスムーズに交付された模様。
来季のJリーグ新規参入クラブと退会クラブの見通し
Jリーグの新規参入の成績要件は長くJFL4位以内だったが、Jリーグが60チームに達した2023年シーズンからはJFL1位が参入、2位が入れ替え戦の1.5枠になっている。
残り9節となった今季のJFLで目下1位の高知ユナイテッドSCは、3位のラインメール青森と勝ち点15の差をつけており、前節で平均入場者数要件も上回るペースとなり、Jリーグ参入がかなり現実味を帯びてきている。2位の栃木シティFCにも新規にライセンスが交付された。3位青森、5位大分、6位滋賀、7位三重は、2位の栃木Cの背中はまだ見えているものの、今年から厳しくなったホーム試合での有力観客動員平均2000人の要件もなかなかに高い壁となっている。
一方で、J3では最下位のいわてグルージャ盛岡とブービーの勝ち点差が10まで広がっており、盛岡のJリーグ退会が濃厚となっている。入れ替え戦に回る19位から上は混戦模様で、残留(18位以上)争いが熾烈なシーズン終盤を迎える。近況が下記のnote記事にまとめられていた。
退会濃厚チーム:盛岡
元日本代表DF秋田豊オーナー率いる盛岡は、2013年の地域決勝で優勝し、JFLを経験することなく2014年からのJ3オリジナル11クラブに加わっている。今年からJ3参入要件に加わった有料入場者数平均2000人もずっと達成しておらず、ひとたび退会(JFLへの事実上の降格)するとJリーグへの復帰はなかなか厳しくなるだろう。
入会有力チーム:高知U
高知は、元寮母という山本社長が今年4月に就任。今季は開幕から連勝を重ねた。
観客動員が足りていなかったが、県財界挙げてのバックアップもあり、9月のホーム2試合でかなり上乗せして、今年から厳しくなった有料観客数要件もどうやら達成できそうな見通し。
これまでJFLで上位につけたことはなかったが、J3ライセンスが初めて交付された今年、千載一遇のチャンスを迎えている。
入会有力チーム:栃木C
J2の栃木SCが宇都宮市のクラブであるのに対して、栃木シティFCは栃木市を本拠地とするクラブ。前進の栃木UVA時代から長く百年構想クラブであったものの、一時はJFLから関東サッカーリーグに降格していた。日立アプライアンスの実業団チームから、東海理化がオーナーなってからはプロ選手をそろえるなどチームを強化して、JFLに復帰。こちらも初めてライセンス取得した年に躍進している。観客動員は今のところ足りていないが、まだホーム試合が5試合残っており、上乗せの余地あり。
市からスタジアム使用の優遇を受けていたのが住民訴訟で支払いを命じられるなど、親会社の東海理化工業に脇の甘いところがあるのが懸念点か。
オーナーが道楽で本業を傾けるようでなければ良いのだが。
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