22.12.28 近くの工事現場を見て感動した

おはようございます。
今日は『近くの工事現場を見て感動した』について書いてみようと思います。

僕は一応、生業を土木としているので土木の事はある程度分かります。

土木構造物でよく使うのがコンクリートですが、コンクリートって最初はドロドロですよね。それが型枠の中に納められて、数日たつとカチンコチンの塊になります。

料理はしませんが、ケーキも型に材料を入れて形をつくるので同じようなことをしていると思ってもらっていいと思います。

例えば冷蔵庫に入れて固めるのは、ケーキに含まれるゼラチンなどの温度を下げるためにすると思います。

同じようにコンクリートにも固める方法があります。コンクリートに含まれる成分が水を使って化学反応をしてコンクリートが固まっていきます。

コンクリートが型枠を外せるまで固まるには3~5日くらいかかります。その間を養生期間といいます。養生中はコンクリートの中で水分とコンクリートの成分が反応して固まっていきます。そのため、養生期間中に中の水分が固まらないようにコンクリートの温度を2℃以上に保つ必要があります。

5日以上、コンクリート温度を2℃以上に保つ(普通ポルトランドセメント)
3日以上、コンクリート温度を2℃以上に保つ(早強ポルトランドセメント)

冬に気温が低い時、コンクリートの水分が固まる可能性があるので、外から温めることがあります。これを給熱養生といいますが、めちゃ手間とコストがかかるのでなかなか施工業者さんはやりたがりません。


例えば、橋を支える下部構造物(橋台や橋脚)は橋本体や車などの利用者を支える重要な役割があるので、よりしっかりと施工しないといけません。そういった時は施工業者さんもしっかりと給熱や断熱養生をしてくれます。

一方で、道の横にある水路などは支える力があまりないので、結構粗雑に作られます。でも、同じコンクリートなので、よりよいものをつくろうとすると、そこはちゃんと養生をしないといけません。

昨日、帰宅途中で家の近くでやっている宅地の造成現場を通り過ぎました。冬の寒い夜に道路の溝をコンクリートで作り養生をしていました。そして、その養生中に先ほど話をした給熱養生をしていました。

なかなかこういった小さな構造物に対してここまで手間暇かけて工事をする業者さんってそんなにいないので、僕はこの現場を担当している施工業者さんは素晴らしいなと思いました。

細部に神は宿る

という言葉があります。
それは、基本的なコトやその場で必要なことを自分が出来る範囲で突き詰めていき、それを積み重ねていくことで結果的に素晴らしいものが出来上がる。というコトだと思います。

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