vol.04 網干を視察してきました
2020.08.30
【旧網干銀行湊倶楽部】
●建物へのこだわり
旧網干銀行。ここは、歴史ある建物が売り物件になっていることを学生がSNSで投稿し、それを見て今のオーナーである鵜鷹さんが即決で購入。購入後に地域の人や行政、大学などを巻き込みながら利用の可能性を探っていきました。その結果、レストラン『旧網干銀行湊倶楽部』として生まれ変わり、歴史と建築物の価値を伝え、誰もが集える場所を目指して運営されています。
購入後、みんなで改装工事を行うワークショップを開催するなど、物語を共有しながら建物の再生が行われてきました。その結果、建物本来の美しさや重厚さを取り戻しただけでなく、利用に合わせて改変することで、さらに価値を高めた空間に仕上がっていました。
●料理へのこだわり
お昼過ぎに訪れた私たちは昼食をいただきました。厳選された食材と手間暇かけられた料理。どれもがおいしく、誰もがたのしく食事をしました。お店のこだわりは料理にも感じられました。食材は地域の農家さんが育てたものを使用し、食材を生かすような調理がされていました。個人的にはオリーブオイルをつけて食べる、湊倶楽部で焼かれたバゲットがおいしかったのと、赤いオクラに驚きました。
【地域の歴史を感じるまちあるき】
●こだわり抜いた山本家
食事のあと、都市景観重要建造物の『山本家住宅』に向かいました。山本家はマッチ工場で財をなし、網干銀行を作った網干を代表する名家です。その山本家が迎賓館として建てたのが山本家住宅です。そのこだわりはとどまることを知りません。大理石造の玄関、ステンドグラスをはめ込んだ天窓、楓を用いた腰パネル、大きな灯篭がいくつも置かれた庭園。そして、山本家を代表するのが晴れていると姫路城を見ることができる3階の望楼。地域のランドマークとして歴史を伝える建物でした。
●こだわるなら「やっちゃえよ!」
旧網干銀行湊倶楽部に戻り、地域のコーディネーターとして網干に関わり、今回の視察を企画してくださった納屋工房の長谷川香里さんから、網干のまちづくりについてお話をいただきました。snsで大学生が投稿したことから始まった網干のまちづくり。その小さな火種がまちを動かし、産官学を巻き込んだ大きな活動に発展しているそうです。
pakupakuパークのメンバーの声を借りれば「すべてがオシャレ」な網干。鵜鷹さんを交えた意見交換から、「こだわり」を突き詰めた結果がオシャレにつながっていると感じました。そして、こだわりの源泉はお客様、地域の人たちに対するホスピタリティ。そのためにはとことんやっちゃう人たちだと思います。それは、山本家の人たちや鵜鷹さんが特別だからではなく、想いに対し素直にやっちゃう人たち。
だからこそ、僕たちも想いを持っているなら「やっちゃえよ!」そんなエールをもらった網干の旅でした。
PakuPakuな人
旧網干銀行湊倶楽部オーナー 鵜鷹 司 さん
鵜鷹さんは姫路で工具の販売をする傍ら、播磨風船飛行隊の一員として熱気球を使ってワクワクを振りまく、遊びごごろと熱い想いを持った方です。売りに出された旧網干銀行を見た瞬間、何かが降りてきて、即決で購入を決められたそうです。その後、地域や若者を巻き込んでのまちづくり。僕たちにとってマイルストーンとなるような方です。