あの犬に見た幸運の意味をわたしはまだ知らない。
「私の前世は犬だったのよ」そう言ってはばからない女性がいた。その女性は”もちろん”犬を飼っていた。毛は真っ白で体は少し大きくて、飼い主の女性の運転する車の後ろをリードなしで走って追いかけていた。わたしはその光景をよく覚えている。「犬って賢いなあ」そう思ったのは、わたしが小学生の頃のことである。
そんな、前世は犬(自称)の女性が、ある日 野良犬を拾った。家に連れて帰ったら白い先住犬が盛大にヤキモチを焼き、多頭飼いは無理だと悟ったんだそうな。そこで、知り合いの中で野良犬を引き取