恋と幻想と、いつか会う日まで
「そろそろいい加減、会いたいよ。」
「直接会って伝えたい。」
ドキッとした。
言葉から彼の本気が伝わってくる。
彼との久々の電話えっち。
恥ずかしくて集中できなくてつい演技しちゃう私に対して、彼はいつも自然体だった。
電話口でお互いに同じシチュエーションを共有し、
言葉でどう前戯するのか丁寧に説明してくれて想像を掻き立てられる時は一緒にいけるのだけれど、
この日は久しぶりだったのか、彼の方が先に盛り上がってしまい、我慢できなかったみたいで先にイってしまった。
でも、一緒にいく時には気づけなかったことに気づけて、幸せな気持ちになった。
我慢できないって感じの声で、
もうちょっと待ってと言うのもかわいそうで
本当にもういく寸前で止めようがないんだろうなって分かって、私は、
「うん、来ていいよ。来て?」と伝える。
その様子がめちゃめちゃ可愛かった。
愛おしくて、嬉しかった。
本当に私のこと好きでいてくれてるんやなぁって、とても強く感じた。
それを伝えると、
以前よりも、彼の中で気持ちが大きくなっている変化を感じた。嬉しくなった。
彼は私と連絡を取り合う1ヶ月前まではセフレがいて、彼女はいなくとも定期的にセックスはしていたみたいだった。
私も彼氏はいるけどセックスは半年以上していない。
本当にお互いに誰ともしていない状態で連絡を取り合ってるっていうのがある意味純情を貫いているみたいで、お互い20代後半、色々経験してきたことを考えると、何となく尊いものに感じる。
(私の場合、彼氏と別れていない時点で綺麗事にすぎないのだけれど)
これだけ離れていても、そう確信を持って言い切れるほどに、彼のことを信頼できているのがまたすごいと思うわけで。
そう、彼は信頼できる。
私は人を見る目においては自信がある。
「この人は信頼できる人だ。」
「この人は人として良い人だ。」
と、早い段階で見抜く力に長けていて、その判断を誤ったことはかつて一度もない。
仲良くなってお互い好きになり初めた当初、
彼にそのことを伝えたことがある。
そんな会話をしていたのが懐かしい。
その時からずっと惹かれていて
ドキドキしていて、
好きになるってなんて楽しいんだろうって、
楽しくて、嬉しくて、
それだけで毎日がキラキラしていて、
心が満たされた。
会えなくてもこんなに幸せなんだなって。
たくさん恋愛してきたけど、
20代後半も後半で、高校時代みたいなピュアな
気持ちになれてる自分に驚く。
何の疑いもなく、
駆け引きとか嫉妬とかそういうのが一切なく、
ただ好きでいれること。
そして好きでいてくれてるって確信できること。
それだけですごく幸せ。
でも、今だからこう思えるのかもしれない。
もし会ってしまったら変わってしまうのかもしれない。
会わなかったらいつかこの恋は終わる。
でも会ってしまっても終わるかもしれない。
終えざるを得ないかもしれない。
でも会わない限りは、本当の意味で永遠に始まりもしない。
本当は始まりも終わりも望んでなくて、
ただ一生恋していたいだけなのかもしれない。
これだけ毎日LINEもしてて、
頻繁に電話もしているけれど、
まだ、きっと幻想。
幻想であって、現実ではない。
どうしてこんなに臆病になるのか。
自分でも分からないけど。
そのためには日々努力するしかない。
理想の自分になるために。
恋愛において、"自信"がいかに大事なことか。
痛感する日々。
自分を好きになることが1番大事。
会ったことのない人に恋する恋愛が
もしかして1番自分を成長させてくれる恋愛
なのかもしれない。
ただ好きなだけじゃだめ。
本当に好きになってもらう努力をしなければと、
常日頃思っている。
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