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お産で叶った夢

栗の時期になってきた。

母がお友達から栗を貰った。

母は膝を悪くして、栗を扱う余裕がないわ。

と笑って言う。

今日はお医者さんに診てもらい、薬を処方され、かなり楽になった様子。

膝が痛いのに、仕事をして、娘の手伝い、孫をお風呂に入れたりとよく動く。



妊娠した時に、助産師さんが言っていた言葉。

あくびや疲れは赤ちゃんからのメッセージですよ。

わたしはその言葉がすごく気に入った。

そして、わたしは、体の痛みは自分自身からのメッセージだと思う。

母に休息が必要。


娘が生まれてから23日。

沐浴をする前、生まれて2、3日だけ、彼女の頭に羊水の匂いが残った。

わたしはその独特な匂いが気に入った。

助産師さんは栗の花の匂いよと教えてくれた。

それを母に教えたら、

あなたがおなかにいる時に香った栗の花の匂いが嫌で嫌で。つわりが大変だったわ。

と言っていた。

わたしが息子を産んだ時、母はアメリカまで来てくれた。

その時に、

二人目は日本で産んで欲しい

と言っていたことがどうしても頭から離れられなかった。

主人と付き合っていた時から、

私が海外に行くこと

私が離れていくこと

口には出さなかったけど、どうしても嫌だったようだ。

私は今回、日本に帰国したと同時に妊娠発覚した。

妊娠後期になって、夢が叶うと気づき始めた。

それは母の願いを叶えられるという、私の夢。

これまで親孝行なんて出来なかったけど、これが親孝行になれるかなと思えた。

自宅で出産を希望することを家族に話すと、みんな目が点の表情。

それでも、私のことだから仕方ないと思ってくれたのか。

みんな大らかに受け止めてくれた。

母が出産を立ち会うつもりがあったのか、それはわからないし、私も母にその瞬間にいて欲しかったのかはわからない。嫌だなって思った気もあったかもしれない。

陣痛が長引き、助産師さんは母にさらしを買ってくるように頼んだ。お風呂から出た後にさらしを巻いて促進しようと考えてくれていた。

母は近くのイオンに行った。

わたしはお風呂で陣痛を強く感じていた。

もう1時間も入っているから、出た方がいいよと助産師さんに言われて、出る。

もうすぐだとわたしは感じ始めていた。

それから、母がさらしを手にちょうど帰ってきた時に赤ちゃんの頭が見えていた。

わたしは、力むことなく赤ちゃんが自分の意思で降りてきたことを感じた。

娘はへその緒を身体に緩く巻いて出てきた。

わたしのへその緒は普通の人の2倍以上あった。 

上手に助産師さんは解いてくれた。

この世へようこそ。

わたしは、へその緒はハワイのレイのようだなと思った。

母が手にしたさらしは、値段をつけたままにして、この赤ちゃんが大人になってお嫁に行く時にでも渡してあげよう。

祖父母が過ごしたこの家で、娘が産まれた。

魂の気づきのきっかけをくれた出会いが娘の命と繋がる。

命の繋がりがあるこの家で、わたしはどうしても彼女を産みたかった。

母の想いが、またわたしを生かしてくれて、新しい命を与えてくれた。

いつか娘にこの話をする時がくるのかな。

Aloha to you

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