"長編小説 『じゃんだらりんの国から』 第5話 「カンカラ・マア・チャン」"

地震騒動で、怯えていたようすを見せていた皆子たちだったが、次の日になるとけろっとして、兄弟みな外で遊んでいた。

天気は快晴。青空に雲ひとつなく、子どもたちの元気にはしゃぐ様子を御天道様が微笑みながら見下ろし、日差しを温かく包み込むような感じであった。

子どもたちが近所の空き地で鬼ごっこをしていると、どこからか、ドンガラ、ドンガラと賑やかな、一斗缶を叩き鳴らす音が真夏の空にまで響き渡った。

皆子は、いったい何が起きたのか、わからない様子であったが、兄の武はその一斗缶の音の犯人については知っているようで、得意気な感じであった。

「カンカラ・マア・チャンだあっ!みんな、カンカラ・マア・チャンのあとに続けっ!」

武は兄弟みなをリードしながら、この、カンカラ・マア・チャンという不気味な男の後に続いて追っかけた。

しかし、カンカラ・マア・チャンとはいったい何者なのだろうか?

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