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アラフォー独身の絶対に勝てない婚活

当方、結婚願望おおアリのアラフォー独身女。数年前までは、結婚相談所やマッチングアプリなどに登録し、積極的に婚活をしていました。

しかし、婚活市場での女性の価値は、若さが重要で、同世代の男性が希望する女性の年齢層は20〜30代。40代の私がターゲットにできる年齢層は、50〜60代。同世代を希望しても年齢で足切りにあってしまうという現実が早々に突きつけられました。

ここで出てくるのが「妥協」という言葉。

アラフォーが結婚するためには妥協しなければいけない?

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「結婚相手が見つからない」と周囲にぼやくと、よく言われることは「理想が高いんじゃない?」「現実を見ろ!」ということで、私も「確かにそうだな」と雰囲気でなんとなく思うわけで・・・・・・。

「私が結婚できない原因は、理想が高いからで、理想を下げ妥協したら結婚できるかもしれない」
=アラフォーの私が結婚するためには、妥協すべし!さもなくば、一生独身で頑張れ!で思考は停止したまま、婚活市場から戦線離脱して数年が経過していました。

「理想の結婚相手は3高」に縛られるアラフォー

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妥協を迫られている私の理想は、そもそもどこから来たのか?あまり考えること無く「これが私の理想!」と思い込んでいた3高。

私が小学校高学年から中学にかけて、世の中はバブル真っ只中。

テレビや雑誌が大好きだった私は、「ティファニーのオープンハート」「クリスマスは赤プリ」など当時のクリスマスのあるべき姿や、トレンディドラマの主人公がひとり暮らしする豪華なマンション、彼氏は「高収入」「高学歴」「高身長」の3高、そんな華やか生活を理想と思い、目指すべき方向として無意識のうちにインプットされていたようです。

文字にするとバカバカしさ全開で、「いい年して」と軽蔑されそうですが・・・・・・。結婚相手など自分以外のものに権威を求め、そこに安定的にぶら下がることが勝者であり、マウントとれるポイントという考え方は、私に限らずあちこちで見られると思います。例えば、会話の端々にさりげなく「旦那さんの勤務先」「子どもの学歴」「持っている車」「住んでいる地域」などを入れ、自分の優位性を示したりするなどが挙げられると思います。

若い世代にとっては、ステータスやアクセサリーで自分の価値を示そうとすることは、「古墳が大きいほど権力ある」というような古い時代の価値観に思われるかもしれません。

しかし、思春期という多感な時期に、メディアで物質主義礼賛を存分に浴びた世代には、このような価値観を持つ人は多く見られます。自分らしく生きたいと思いながらも、どこかで作られた価値観にがっつりのめり込みすぎて自分にとって何が大切なのかわからなくなっているのが、今の私です。

『鍵泥棒のメソッド』でハイスペ至上主義が崩れた

自分の価値観を見直さないまま40代を過ごしていた私は、映画『鍵泥棒のメソッド』の序盤を観ながら、結婚相手に求めることについて、ハイスペ至上主義ってバカバカしいのかもと思い、結婚相手の選び方について冷静に振り返るに至りました。

この映画の序盤の一部を紹介します。本筋とはあまり関係なく、このネタバレの内容を見て、「鍵泥棒のメソッドってつまんなそ〜」って思わないでください。中身が大充実した良質なエンタメ映画です。笑って泣いて楽しんで、よい時間を過ごすことができました。

==以下ネタバレ注意==

広末涼子演じる水嶋香苗は、病気の父親に結婚した自分の姿を見せたいという思いで、結婚相手がいないまま「結婚する」と宣言。合コンや紹介など婚活ではハイスペックな男性などとの出会いはあるものの、いまいちピンとこず。

そんな最中、香川照之演じる「桜井」という風呂場で足を滑らせ頭を打ち記憶喪失になった男性と知り合う。「桜井」は、ボロボロのアパート暮らしの貧乏で無職な中年。

記憶を取り戻すべく、自分自身に誠実に向き合い、これからの人生を前向きに捉え生きる「桜井」の姿に水嶋香苗は心惹かれ、逆プロポーズする。

==以上ネタバレ==

ハイスペ至上主義が揺らいだのは、広末涼子演じる水嶋香苗の人との接し方にありました。

それは、容姿、持ち物、収入、仕事、ステータス、家柄、学歴など外的な情報ではなく、今目の前にいる人と接してどう思うか、感じるか自分の中の感覚を重視していたことです。

私は、結婚相手選びにおいて、親や友達にどう思われるか、社会的な価値観の中で目の前の人はどういう位置づけとなるかばかりを気にしていたため、情報より感覚を優先させて人と接する姿がとても目新しいものに感じました。

婚活市場で男性を見ると「生き物」に見えなくなる

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例えば、「血統書付きの犬じゃないと嫌」と発言する人がいたら、私はその人を全力で軽蔑します。犬を人間が勝手に決めた価値観の中に位置づけ優劣決める感性を持つ人は、住むレイヤーが違うのではないかと思うほどです。

しかし、私は婚活真っ最中の時、男性についてはパソコンのようにスペック重視で、アクセサリーのように自分を飾るアイテムという見方をしていました。

そのため「きっと男性も女性を自分を高めるアイテムのように思っているに違いない」と思い、能力やステイタス、美貌がない私は、婚活は負け戦でしかありませんでした。

絶対に勝てない婚活

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3高を重視するという価値観は、中身よりも外観を重視するということになるため、この中では、私は底辺層決定となります。底辺な私が結婚相手となる条件は自ずと決まり、仮に結婚というものができたとしても、3高を重視する価値観の世界では、「負け」判定がやってきます。

先程のように、文字にするととても馬鹿げているように見えるかもしれません。しかし本人、大真面目にこの価値観にぎりしめ、人生のウツ状態です。

そもそもこの価値観は誰のものだったのか確認も見直しもせぬまま、自分に負けの烙印を押し続けて数十年生きてきたわけですが、映画『鍵泥棒のメソッド』を観て、3高を重視するような物質主義への執着が和らいだようです。

底辺の私がいつまでも3高を求め続けるのは、この価値観を下支えしているに過ぎない、いわゆる養分になっているのだなと、やっと気づきました。この価値観の中で認められようとしたり、妥協という言葉で自分を貶める必要もないし、この価値観自体を捨ててしまっていいんだと思い、私の中でやっとバブルが崩壊したようです。





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