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【感想】舞台ウマ娘から見た2.5次元舞台の新たなステージ【ネタバレほぼなし】


こんにちはpainです。
最近書き物を全然していなかったのでたまには何か書くかーということでタイトル通り舞台版ウマ娘の感想を並べてみようかと思います。
登場人物やライブ曲なとは書きますがストーリー上のネタバレはないように書きます。でもし興味があるかたは最後まで読んでいってくだしい。

『ウマ娘 プリティーダービー』初の舞台化作品『舞台「ウマ娘 プリティーダービー」~Sprinters' Story~』は2023.1.15 - 1.29 にて品川プリンスホテルステラホールで開催されました。無事開幕されましたが例のウイルスのせいで一部公演が休止になるなど。。(別に誰も悪くない)不運もありましたが無事千秋楽を迎え、さらに千秋楽公演は配信されており執筆現在ではまだ視聴できますのでこの記事を見た人でまだ未視聴の方は絶対に見ましょう。サイゲ、3000円は安すぎるんよ。。。(現在は3800円かな?それでも激安)

はじめに

とりあえず最高でした。それだけ。

今回私も現地参加ではなく配信で視聴させていただきましたので現地の空気感や迫力を語ることはできないのですがそれでも今回の舞台の魅力はひしひしと感じることが出来ました。地方住みですし、土日がなかなか休めない仕事なので千秋楽行けないなら今回はパス。ということで直接観劇するのを諦めたのですがマジで行けばよかったと若干後悔がある。。難しいと思いますが再演しませんか?とか言ってみようか。いうだけタダだし。多分再演したらチケット即完売じゃないかしら。今回はそれなりに当日でも入れたみたいですけどめっちゃいいって世間にバレちゃいましたもんね(笑)

とはいいつつこの舞台、見る前から絶対いいものになる!って確信があったので私自身そんなに驚いてはないんですよね。

それは演出が児玉明子さんだったから。
しかも出演者に佐藤日向さんがいる!ということは

はい、わかります。

これ聞いてニヤニヤしたあなたは立派な舞台創造科ですね?(笑)

回りくどい言い方をしましたがレヴュースタァライトというアニメと舞台の融合をテーマにした作品がありまして、舞台ウマ娘と同様にキャラクターの担当声優さんが舞台キャストも兼任する作品です。そのレヴュースタァライトの舞台の演出が児玉明子さんなんですよね。そして佐藤日向さんはレヴュースタァライトでキャストを演じておられます。今回ウマ娘の感想なんであまり語りませんがこの舞台がめちゃくちゃ良いんですよね。私が2.5次元舞台にハマったきっかけでもあります。ということで見る前から私の中では面白さはすでに担保されていたんで安心して配信に臨みました。

実際見てみたら想定をはるか超えてきて後半泣きっぱなしでしたけど(笑)

感想その1 シナリオ編

まずはシナリオ。事前情報や公開ゲネプロなどで拝見するなかでも観劇するまではヘリオスを中心にしたお話になるのかな?という印象でした。全編を通してヘリオスは主人公ではありましたけど物語の中心はルビー、ミラクルでしたね。これは想定外でしたが個人的には嬉しい誤算でもありました。ここまでガッツリミラクルのストーリーやってくれるとは思ってなくて。
私はウマ娘から競馬に興味持った勢なので全然詳しくはないですが一応史実の知識としてミラクルのお話は知ってはいたので史実をリスペクトしながら作って行く中でも本当に最後の最後でみんなが望むIFを出してくれるウマ娘陣営には毎回感服します。奇跡ってレースに勝つ以外にも起こせるんだよな、ミラクル。

カーテンコールで佐藤日向さんが今回脚本の方がゲームの脚本を書いている方ということをおっしゃっていましたがそれも良かった要素のひとつだったと思います。自分の中で初めて観るのに既視感がある、そんな感じを覚える瞬間が何回もあって。配信を見終えてしばらく考えていたんですけどひとつの答えが出ました。

ゲームウマ娘のメインストーリーよ、これ。

全体的な構成や物語の進め方を含めてかなりメインストーリーを意識した作り方になっていると思いました。これが脚本のおかげなのか演出のおかげなのかは外から見ている私たちには知りえないですがすごくゲームウマ娘に対するリスペクトを感じました。ってかストーリー外伝としてでいいからゲームに実装されんかねマジで。シナリオ良すぎんだよ。今回は舞台なので歌って踊ってだったけど純粋に演技100%バージョンも普通に見たい。

感想その2 歌唱パート編

そしてライブ。これも控えめにいって最高。
本能スピードヤバすぎ。。Never Looking Back最高。。そしてGIRLS'LEGENDUはあかん。。などもうとにかく見てくれとしか言いようがないですがキャストさんごとに話すと山根綺さんは全編通してヘリオスの太陽感を見事体現されていてホントに初舞台とは思えない迫力もあり実質ソロ曲のMake debut!もかなり良かった!礒部花凜さんは歌唱力おばけなのは前から知っていましたが舞台で見たのは初めてだったので圧倒されましたね。特に終盤ミラクルに対して歌うソロ曲があるのですがあの辺から涙腺が崩壊した気がします。歌で泣かしにくるのはずるい。佐藤日向さんは何度も舞台でみていますが相変わらず力強い芯のある声がとても好きでソロ曲もかっこよかった。ソロ曲のラスサビ転調する話をどこかで聞きました。キャラクターに合わせて低いパートを歌うことが多かったと思いますが佐藤日向さんの魅力は芯の太い高音だと思うので演出の方々もそう思ったのかなと。最後の転調ラスサビに全部持ってかれましたね。今泉りおなさんは透き通る声が魅力的でした。たぶんゼファーのテーマとして「風」があると思いますがまさしく風のような歌声というかやさしくもあり、力強くもありといった繊細な表現を使い分けておられるような印象を受けました。今回本人もおっしゃっていましたが出番が少なかった(笑)のでまたガッツリ聞ける日が来たらいいなと思います。やっば再演するしかないね、サイゲ。

感想その3 演出編

そしてやっぱり演出が素晴らしかった。
舞台が始まってからしばらくしてウイニングライブの説明が入るんですがあれ斬新ですよね。
今回初の舞台化ですから初めて舞台を見る人も大勢いたと思いますしこの舞台をきっかけに舞台そのものに興味を持って欲しいという制作サイドの思いがしっかりあって初心者にやさしい設計になっていました。逆に普段舞台みてて2.5次元舞台初めてだって人にも配慮されてましたよね。普通舞台でブレード振らないし(笑)どこで振るか教えてくれるのは普通にありがたい。
だけどこの部分他の方の感想でも否定的な方が結構いて賛否両論あると思いますが私は肯定派。普通やるなら「前説」みたいな感じで舞台の幕があがる前に説明することが多いと思いますが、そうではなく舞台の幕が上がってからやったことに意味があると思っていて。舞台の観劇って普段観客が介入する余地ってないと思うんですよ。だけどあの演出ひとつで観客の人々を演者にしたんですよあれ。あなたたちもこの舞台をつくっているひとりってことを認識させたんだと思います。これはアーティストとかがやるライブの手法では当たり前だと思いますがこれを舞台でやったのはすごくいいことだと思います。
あとやはりレースシーンですよね。舞台ウマ娘ってなった時にやはりみんなが心配したのがここだと思うんです。ウマ娘の核となる部分がレース。舞台になった時身も蓋もない言葉でいうなら基本的に女の子が走るってだけですから、どう魅せるのかはすごく難しいと思います。導き出された答えはタップダンス。モブウマ娘を含めて大人数でのレースでは迫力があり圧巻でした。正直走っているのかといわれれば微妙かもしれませんが実際に舞台上をただ走ったところで絶対シュールですからこれがひとつの答えとしてしっかり形になってましたよね。
走るをタップダンスに変換することでレースをダンスナンバーに昇華させたのは流石だと思います。

2.5次元舞台の新しいステージ

今回舞台ウマ娘を通して2.5次元舞台というものが新しいステージに進んだ感じがしました。はじまりは冒頭でお話したレビュースタァライトからだと思いますが声優さんが舞台キャストを兼任するスタイルは2.5次元舞台を新たなステージへ押し上げる可能性しか感じざるを得ません。
やはり2.5次元舞台がなかなか流行らない理由って原作のアニメゲームとのギャップが大きすぎる点だと思います。多くの2.5次元舞台は俳優さんや女優さんが演じられていますが純粋な原作ファンからすると自分の持っているイメージとの乖離があるんですよね。全部が全部とはいいませんがコレジャナイ感が漂うことは多々あります。別にこれは役者さんが悪いって話ではないと思います。やはり演技にも種類があって「アニメ演技」と「舞台演技」って違うと思うんですよ。どちらが優れているとかではなくアプローチが違うというだけです。原作がアニメゲームの2.5次元舞台は「アニメ演技」を求められるので多くの原作ファンからすると微妙、となるわけです。アニメの実写化が概ね評判がよくないのと一緒だと思います。だから現在のコミュニティとしては2.5次元舞台が好きな人だけが見てる少しニッチなカテゴリという立ち位置だと思います。
しかし舞台のキャストを原作の声優さんが兼任される場合この違和感がないんですよ。しかも声一緒。目の前にあのキャラがいるんだ…ってなる。
ここ最近の2.5次元で成功しているものはだいたい原作キャラクターとのシンクロ率の高いものです。分かりやすいところだとラブライブだと思いますが、まるでキャラクターがそこにいるかのようなほどのキャストさんとシンクロしてるんですよね。その感じを楽しむという楽しみ方のジャンルは確実に存在しています。今回の舞台をきっかけに2.5次元舞台面白いじゃん!って思った人も結構いるんじゃないかなと思います。
同一キャストによる多面展開。これが私が感じる2.5次元舞台の新たな可能性です。

さいごに


今回ウマ娘のようなビックタイトルで2.5次元舞台の新しいスタイルを示されて衝撃を受けた人達は多いと思います。この声優と舞台キャストの兼任スタイルは求められていくし増えていくんだろうなぁとも思っています。良いコンテンツが増えていくのは喜ばしいことですし2.5次元舞台界隈が盛り上がるのも嬉しいことです。

ただひとつだけ。声優さん忙しすぎなんだよな。最近の声優さんは歌えて踊れて当たり前みたいなところあるけど見えないところでめっちゃ練習とかもしてるだろうし去年も体調不良の声優さんすごく増えたんでしっかり休息を取れるように声優さんを使う側にも配慮してほしいなと思う。舞台ウマ娘でヘリオスがみんなで一緒に走りつづけるのが1番楽しいみたいなセリフあったけどマジそれ。1番大事な事。

絶賛しまくりなので敢えて微妙だったポイントを個人的に上げるとしたらゼファーが風を通り越して空気になってたのでそこは残念なのかなと思う。メインキャスト4人って発表してるわけなのでゼファー目当ての人もいただろうしもう少しゼファーのエピソードとかあっても良かったのかな。史実準拠だとゼファーが活躍するのは今回の時間軸よりもっとあとの話になるから難しいとは思うけど。大きく気になったのはそれくらいかな。

と長くなりましたがそろそろ〆ますかね。
またウマ娘の舞台があれば今度こそ現地で見たい!改めて最高の舞台でしたと宣言しつつ筆を置きたいと思います。長文になりましたがここまで読んでいただきありがとうございました。



追伸
演出児玉明子さんでさらに佐藤日向さんが出演する舞台が早速今月あります(笑)
2023年2月25日(土)~28日(火)少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE-#4 Climaxが東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)にて公開されます!もともと仕事の都合上私も非参加の予定でしたがライブ配信決定ということで配信で見れる!ことがわかりましたのでアーカイブにはなると思いますが参戦できそうです。
舞台ウマ娘ロスの方は是非おすすめです。
以上舞台創造科が宣伝いたしました。
                                                                          おわり

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