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『AbletonLive Rackを極める!!』      その②基礎編~Dry/Wet Rack~


1.はじめに

 AbletonLiveのRackで有名なのっていうと、Dry/Wet とか帯域分けなんかが挙げられます。
 どちらもRackの使い方を知るうえで、基礎であるとともに、複雑なRack作成時にも多用するRackになりますので、説明していきます。

2.「Dry/Wet_Rack」

ちなみに最も有名なものはコチラ。

 海外サイトでも、上記の作り方がポピュラーですね。私の敬愛するMr.Billもこの作り方を動画で説明していました。
 いわゆる「チェインセレクター」を使用した方法です。詳細は上記リンク「SleepFreaks」さまが大変詳しいので、サイトを参考にしてください。

 今回、私が紹介するのは、「Resonators」を使ったRackになります。
 実は、この方がNoteで詳しく解説しています。

 チェインセレクターを利用したRackは、完全にDryWet音が鳴らないという欠点があるんですよ。実際に作成して頻繁に使っていた私は、ずっとモヤモヤしていました。
 そんなある日、偶然にHercelotさんのNote記事を読んで「この人天才だわっ!!」と一人で歓喜した記憶があります。
 まず、アイディアが凄い。
 ResonatorsってWetにすると音が共鳴するエフェクトなんだけど、5つあるResonatorのスイッチを全てOFFにすると「音が鳴らない」。
 これをDry/Wetに使えるじゃないかって閃いたのが凄い!!

 作り方は、上記リンクに詳しいですが、説明していきますね。

3.作り方

 まず、「Resonators」をドラッグ&ドロップしましょう。

デフォルトだとResonatorⅠ~ⅤがOnに鳴っていているよ。

 デフォルトの状態だとリズムループなんかにかけて、半永久的に遊べちゃうエフェクトですよね。
 このエフェクト、ResonatorがⅠからⅤまで計5つあるんだけど、そのスイッチをOFFにしてWet100%にどうなるでしょうか?
いままで聞こえていたリズムループが聞こえなくなると思います。

各ResonatorのOnボタンを消灯(一応左にあるFilterも消灯しておく)

 ここまでで原理が分かった人いますか?
 試しにResonatorの前にお好みのエフェクトを挿入してみてくださいな。  ResonatorsのDry/WetノブをWetからDry方向へ回していくと、エフェクト音が聞こえてくるハズです。 

この状態では音は聞こえない。ResonatorsのDry/Wetノブを左方向へ回していくと、、、「VinylDistortion」の効果が聞こえる。

 はい、分かりましたね。これがWet側(ResonatorsはWet→Dry)です。
Dry側はその反対となります。
 それでは実装していきましょう。
まず「VinylDistortion」と「Resonators」をShiftキー押しながら両選択してCtrl+GでRack化します。

混乱しないようにチェーン名を「Wet」にしておこう。

次に新たなチェーンを作成して(Dryに名前を変更)して同様に「Resonators」を挿入しよう。

Dry側。「Resonator」の設定はWetと全く一緒だよ。

 最後に、それぞれ「Resonators」のDry/Wetノブをマクロにあべこべにマッピングすれば完成だ。

マクロボタンを押してマッピング
マクロの設定

ResonatorsがWet「100%」の時は音が鳴らないのがポイントだ。

Dry/Wet Rackの完成だ!!

このラックは、Dry/Wetがないエフェクトに機能を追加することができる。もちろんサードパーティのエフェクトでも大丈夫だぞ。

4.ダウンロード

完成した.adgファイルを置いておく。
【注意事項】
 ・使用は自己責任
 ・当方制作環境はAbletonLive11.3.4
 ・互換性チェックはしておりません

次回は「帯域分けRack」を紹介します。

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