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【完全無料講座】Ableton Liveで電子音楽を作る②~ドラムキットの構築~

はじめに

第2回目は、「ドラムキットの構築」になります。この講座では、ドラムキットのパラアウトについて学びます。

1.ドラムキットの選択

本講座では、前回述べたようにAbleton live10 Trialを使用します。ドラムキットも、付属のシンセを使います。以前の講座(打ち込みの基本)で紹介したドラムサンプラー「impluse」プリセット”impluse808”を使用します。

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上図のように「impluse」は、8つのスロットに各サンプルがロードされます。左からKick,Snare,hihat(close),haihat(open),Clap,Conga,Cymbal,Rimの順です。

前回の7つの前提条件⑧のとおり、

”Kick,Snare,hihat(close),haihat(open),Cymbal"の5つとします。

よって、使わないサンプルスロットを「Delキー」で消します。

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5つの音に整理しました。使わない音を消しただけですね。

2.仮Beatを作成する

まず、仮Beatを作成しましょう。

beatの作り方は、次の記事を参照してね。

今回は、下図のようなBeatを作成しました。

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余計なKitが無くなって見やすくなりました。

とりあえず、この状態で再生してみましょう。

※音量注意!!!

、、、、、、、、、、。

音が割れているのに気づきましたか?

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音量が0dBを超えてクリップしています。音割れというやつです。
この状態で投稿すると耳に悪い不快な音を視聴者にお届けすることになります。

実は、Impluseの各スロットの音量は0dBがデフォルトでして、0dBギリギリのサンプルが、ほぼ同時に5つも鳴っていることになります。
たくさんの大きな音が鳴っていれば音はさらに大きくなりますね(→教室に騒がしい奴が5人いれば、その教室では勉強できませんね。)
そりゃ、クリップが発生する訳です。

いわゆるゲインステージングとういう考え方なんですが、将来的にヘッドルームの確保がミックス→マスタリングの過程で必要になってきます。

?!?よく分からない人は、とりあえずこのままで結構。

とにかく音をクリップさせない(音割れさせない)

だけは掴んでくださいね。

ゲインステージングについて細かく勉強したい人は、下記サイトを参照してね。

3.音割れを防ぐ方法(各キットの音量調整orパラアウト)

音割れを防ぐ方法は、いくつかありますが、まず間違っている方法をひとつ説明します。それは、

ヘッドホンやモニターの音量を下げること

です。これは意味がありません。聴感上、音量は下がりますが、クリップしたままです。やってみれば分かりますよ。

ではどうすれば良いのか?

一つ目は、impluseの各サンプルのVolumeを下げることです。

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ただ、この方法はメンドイです。各キットをポチってはグリグリ。クリップしなくなるまで微調整しなければいけません。

そこで2つ目の方法をお勧めします。各サンプルをそれぞれ別のオーディオトラックに出力する「パラアウト」です。

現在はimpleseのインストゥルメントトラックのなかで5つの音が鳴っていますね。
これを5つのオーディオトラックに分けて別々に出力させることが出来るんです。

パラアウトをすると、各Kitの音をAbletonのミキサーセクション上で調整出来るので、バランス調整にとても役立ちます。では手順について説明します。

①オーディオトラックを作成(Ctrl+T)

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②新しく作ったオーディオトラックの入力/出力セクションの設定

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③同様にKick以外のパートも設定して完成

下の動画でも確認してくださいね。(音量注意!!!)

動画では最後の方で音量調整もしています。ポイントは下の画像を参考にしてください。

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・Kick・・・「-18dB」これを基準にします。

・Snare・・・「-20dB」Kickより少し小さく

・Hihat-close・・・「-24dB」Snareより小さく

・Hihat-open・・・「-24dB」クローズよりちょい大きく

・Cymbal・・・「-24dB」オープンと同等もしくは少し小さく

※あくまで一例なのでkickを基準に調整してみてね。マスタートラックが「-12~-18dB」の間であれば、十分なヘッドルームが確保できていると思います。

これで音割れは防ぐことができました。
でも、「音小さくねえ」と思った貴方、現代の電子音楽は、音圧戦争の急先鋒をひた走っていますので、迫力がないことに不満かもしれませんね。

解決策は簡単。今度はヘッドホンの音量を上げればいいんです。さっきとは逆ですね。
※もちろん、マスタートラックのフェーダーを上げることは絶対にしてはいけません。

4.PAN振りについて

今までの音って、ずっと中央から音が鳴っていました。
味気ないですね。
そんな時はPANで左右に振ってみましょう。聞こえ方が変わるはずです。
生ドラムの場合は、実際の配置に基づいてPAN振りしますが、
電子音楽におけるドラムキットの場合、決まったルールはありません。

一応、定番ではKick中央、ハイハットを左右に振り分けみたいな感じが多いように感じます。この辺は皆さんの感性を頼りに研究してみてください。

下の動画ではパラアウトした仮BeatのPAN振りをしてみました。
音の聞こえ方が変わることに気づけば、あとはトライ&エラーですね。

いかがでしたか?

パラアウトすることで、音量やPANの調整が容易になりました。

Mixについて、もっと詳しく勉強したい方は下記サイトを参考にしてみてね。

長くなりましたので今回はココまで。
次回は、曲づくりにおけるBeat作成について書いてみようと思います。

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