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Myシドニーポートレート#1

25年前のシドニーの空は、今と特段変わらない深い青、すなわち群青色の空でした。
初めてのホームステイに気持ちが高揚していたかと言えば全く反対で、私は不安で仕方が無く、空港からホームステイ先への送迎車の中のことは何一つ記憶が残っていないのです。
これから数ヶ月を過ごすホームステイ先の家は、シドニーエアポート、通称マスコット空港から車で20分ほどのペイジウッドと言う閑静な住宅地にあり、芝の広い庭に平屋建のいかにもオーストラリアらしい建築といった佇まいの素敵な家でした。
私はドライバーに礼を言うと、重い足取りで玄関に近づき、一呼吸するとブザーを押しました。
そして、ここで私は陽気なオージー文化のちょっとした洗礼を受けることになるのです。

大きなバックパックを背負った私が不安を押し殺しながら待っていると、ドアが勢いよく開らき、軽快な音楽と共になんとビキニ姿のグラマラスな若い女性が満面の笑顔で飛び出してきて、「待ってたわよ!」と私の手を取ったのです。

自分がどの様な返事をどの様な態度でどの様な表情で返したのかはあまりの驚きに記憶が飛んでしまっているのですが、彼女のグラマラスな体に付けられていたビキニの鮮やかな青い色だけは、シドニーの空の群青色と共に鮮烈に私の記憶に焼き付けられたのでした。


🎵My Sharona
The Knack

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