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8.裏側まで知りたい

 ここ数年、コーヒーにはまっている。特に、浅煎りの酸味が強く、後味がフルーティなものがとても好きなのだ。

 このエッセイは、自分が毎日何を思い考えているかを自分で知るため、そして友人・知人への近況報告も兼ねて書いている。
 日々の過ぎていってしまう小さなことをすくって、自分という棚にはなにが収まっているのか、棚おろしの意味をこめて綴りたい。

 全然詳しくないのだが、浅煎りのコーヒーは、サードウェーブコーヒー(第3の波)と言われるらしく、2000年代からアメリカで発祥して日本に上陸したようなのだ。それまでは深煎りのコーヒーが主流だったらしい。
 わたしも、コーヒーといえば苦くて牛乳で割ったり、甘いものと一緒に飲むというイメージだった。それに“煎り具合”に違いがあるなんてよく分からないし、“淹れ方”の種類もよく分からない。今もよく分かってない。

 ただ、コーヒーなんてどれも同じだよなーと思っていたけど、豆の種類でカップに口をつける直前の香りが全然違うことや、口に含んだ時の味、後味も多彩なんだということを知った。

 その楽しさを味わわせてくれるコーヒーが、浅煎りコーヒーだったので、だからはまったのだ。

 数年前時々お茶しに行っていた、仙台のフラットホワイトコーヒーファクトリーに先日久しぶりに訪れた。おいしい浅煎りコーヒー目当てだ。
 このお店は、iPadがメニュー表になっており、コーヒー豆や淹れ方等を選んで注文する。たくさんある豆については、味の他に原産国や農園についても紹介されている。

 数年前はこの詳しすぎるメニュー表がわずらわしかった。情報量に圧倒され、「農園とかなんでもいいし、詳しすぎて逆に選びづらい。“本日のコーヒー”でいいや」という感じ。

 しかし今回、むしろ詳しい説明に興味が湧きまくりで、注文しなかった豆についても読んでしまった。お店のコーヒー豆への真摯な姿勢が垣間見えてうれしいくらいだった。

 注文したコーヒーは、エチオピアのゲイシャという豆で淹れてもらったもの。日本になかなか入ってこない貴重なものらしい。

 このコーヒーを飲みつつ、農園で丁寧に豆が栽培されたこと、貴重で高品質な豆を日本に輸入するために尽力している人がいること、日本に入ってきてからもこのお店に入荷され、丁寧にハンドドリップしてくれた人がいること…なんかを想像して、おいしく飲めて本当にありがたいなぁと思った。

 好きになるということは、自分の目の前に渡ってくるまでの、経緯や裏側まで知りたくなることなのかもしれない。
 表面を突き抜けて知りたいことってなんだろうか。

【参考記事】

【浅煎りコーヒーにはまったきっかけのカフェ】

【フラットホワイトコーヒーファクトリー】


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