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冬の比叡山延暦寺へ 交通編

京都を旅しているときに、ふと見える山を「あれ、比叡山だよ」と教えてもらったことがあります。比叡山が見えるなんて、うひょ〜、かっちょい〜、というのが素直な感想でした。
比叡山・・・信長の焼き討ち。高僧が修行される奥地。浅すぎる知識ばかりですが、その響きはなんともかっこよい。いつか行ってみたい。というわけで、ふと今年の冬に行ってみようと計画しました。折しも、寒波到来直後。「雪の比叡山延暦寺」とは、寒さが激しそうではあるけれど、響きのカッコ良さは倍増です。

調べてみると、延暦寺への行き方は、京都側から比叡山山頂に向かう方法と、琵琶湖側から延暦時へと向かう方法がある。けれども、よくよく調べてみると、冬季は京都側から入るルートのケーブルカーとロープウェイが運休とのこと!
幸いにして、私は当日関東から京都に新幹線で向かうので、どちらルートでもそうそう不便はなさそう。湖西線の車窓から琵琶湖も見てみたい。というわけで、東海道新幹線から降りた京都駅から、そのまま湖西線に乗り換えたのでした。上記の図で言うと、私のルートは右側の、京都から山科を経て、比叡山坂本へ向かうルートです。

ちなみに京都側の話に戻すと、八瀬駅から比叡ケーブル比叡駅の叡山ケーブル、そこから比叡山頂への叡山ロープウェイが2023年の場合1月4日から3月17日まで運休です。この記事を書いているのが3月11日なのでまもなく再開ですね〜。

京都駅からの湖西線では、期待通り車窓から琵琶湖を眺めることができました。そしてあっというまに比叡山坂本駅に到着。「ようこそ」の看板も年季が入っています。
ここからはバスでケーブル坂本駅に行く手段もありますが、乗り継ぎの接続を考えると歩いても到着時刻は変わらなそう。なので、ケーブル坂本駅まで約20分の道を歩いてみました。

雪が時々ちらつく、寒い日でした。それもあってか、観光客ぽい感じの人はそれほど歩いていない・・・大河ドラマ「どうする家康」で岡田くんの信長がおそらく近いうちに焼き討ちするであろう。描き方にもよりますが、ご当地になりうるし、これから暖かくなると少し足を運ぶ人も増えるんじゃなかろうか。日吉神社までの道は桜並木のようで、春先にそれは風情があるだろうなあと想像しながら歩きました。が、やっぱりこの日は寒くて思わず早足に。おかげでケーブル出発時刻よりだいぶん早く坂本駅に到着しました。

あらやだレトロかわいい。「ようこそ・・へ」と「比叡山」でフォントと色がちゃんと違うところが雰囲気です。そして背後の「ケーブルのりば」の風情もよきです。思った以上に閑散としている。さっそく中に入ってみると、

駅舎内もかなりレトロ。そして感じたのが駅員さんがなぜか多め。小さな切符販売機はあるものの、手書きの案内がたくさん貼り付けてあったり、窓口に「歩いても登れるんですか」と尋ねるお客さんがいたり、丁寧な対応をされている印象でした。ちょっと来ただけの観光客なので何もわかっていないと思いますが、DXなんて言葉はこういうところには届いてほしくないなあと勝手に思ったりしました。
そのうちバスが到着し、ケーブル一台分くらいのお客さんは集まりました。

ほれ、スタンプもいい味。長さも景色も日本一、その名も「福号」と「縁号」で、なんとも福々しいではないですか。ちなみに全長2025m、昭和2年敷設された歴史あるケーブルです。

そうこうしていると出発時刻に。ケーブルは往路も復路も毎時00分と30分の毎時2回の運行です。
座席は麓側に向かう固定席なので、登りの行く手は見えませんが、車内の観光案内アナウンスは、冒頭で「右側・左側は琵琶湖側に向かっての方向」であることを教えてくれます。なんと親切。
琵琶湖の紹介や、途中駅のほうらい丘駅に、信長の比叡山焼き討ちで犠牲になった方を慰めるための石仏が安置された霊窟があることや、もたて山駅には、この地がお気に入りだった紀貫之のお墓があることなどがアナウンスされます。紀貫之・・・土佐日記・・・確か女子のふりをして書かれたアレ・・・と、義務教育で習った薄い知識もこんなところで役にたつのだなあとのんびり考えたりしました。
というわで、いよいよ比叡山へと参ります。

坂本ケーブル

ご覧いただきありがとうごさいます。旅と登山と散歩の記録をコツコツと書き続けていきます。