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ゼロから始める自然栽培で家庭菜園日記 〜3年で学んだこと  道具と服装〜

全くの初心者、超ビギナーが、木村秋則さんの自然栽培を学んで畑とプランターを始めて、早3年。

何が何だかわからないまま道具を揃えて、勢いだけでスタートした家庭菜園も、もう3年になりました。

ビギナーなりに気づきたことや学んだことを書いておきます。

[畑で使う道具]
畑といえば鍬と草刈り鎌でしょ、とホームセンターで一番最初に買ったのがこの2つ。
畑作業を重ねるごとに、畑作業にもいろんな状況があって、それに適したいろんな道具が売られていることに気付きました。


いろいろ試して、最低限これがあれば畑始められますよ!という道具は、やはり平鍬と草刈り鎌。

畑を始めるのにいろんな農法があります。
多くは、地温を上げ水はけを良くするために畝を作ります。
その畝造りに必要な作業が草刈りと耕すこと。

畝は作りたい場所の周りから土を盛るのですが、土を盛る前に青草が畝の中に入らないように除草することが、自然栽培的には大切です。
なぜなら、生の青い草は土の上に生えているものであって土の中にあるのは不自然だからです。土の中にあるのは土と根っこだけ。(詳しくはまた別の機会に投稿します。)

スタートの畝を作る以外にも、春以降雑草がどんどん生えて伸びますから、そいつらを適度に刈ることが春夏野菜の管理で一番時間を取る作業と思います。

なので、まずは鎌、必須。

鎌にもいろんな種類があります。
鉄かステンレスか、木の柄か金属か、形状、長さ、角度、厚み…。初めて買うときは、どれを選べばよいか全くわかりませんでした。

左:中厚手(イネ科もOK)  中:薄手(柔らかい草用)  右:ギザ刃(草刈り以外にも野菜の収穫も)

始めはオーソドックスな中厚の90度くらいの角度の鎌を買いました。(写真左  使い過ぎてネジが取れ、修理してます。)

草をザクザク一気に刈りたい時はこれです。
もし、草を地際でしっかり根切りするのであれば、ちょっと使いにくい。
(できなくはないです。慣れればギザ刃に比べて手を力まなくても良く、サクサク根切りできます。鎌を持つ手じゃない方の手を刃で切りやすいので、草を持つ手だけ皮製で背抜き無しの厚手手袋などにすると良いです。石や砂で削れるので刃の減りは早いです)

根こそぎ地際をしっかり草刈りをしたいのであれば、ギザギザの刃で根にしっかり食いついてくれる45度くらいの角度のコンパクトな鎌か、掬うような形になっている草刈り鎌が、使いやすいです。
前者(写真右)は小回りがきいて、小範囲のいろいろな除草、種まきする場所の宿根を取りながら整える、作物の収穫、などいろいろ使えるので便利です。
広い範囲を振り回して刈っていくスタイルには向いていません。
後者の方は刃がギザギザじゃないので、切れ味を研いでキープすることができ少し長く使えたり、力を入れやすいのですが、根こそぎ除草以外ではあまり使い道を私は知りません。

まずは1本、であればギザ刃でないオーソドックスな中厚手の鉄の鎌が汎用性があります。2本目はギザ刃の鎌を試してみると良いかもしれません。

ちなみに、私は鎌を3本持っています。
中厚の鎌、ギザ刃、薄手で切れ味重視の鎌(写真中央)
どれも研いで切れ味をキープできる鉄です。
草刈り機を持っていないので、広範囲の草をサクサク振り払うように手早く刈るために、3本目に包丁のようによく切れる薄手の刃の鎌を買いました。
薄刃は石で簡単に刃がかけるので、地際はNGで広範囲草刈り専用です。

そして草刈りに、鎌+αあったら便利なのは、4本目の鎌といっても過言ではない、三角ホー。

だいぶ刃がガタガタになった

使い方次第では鍬と鎌の両方をこなす、できるやつです。
鎌だとしゃがんだり中腰で腰が痛くなったりしますが、立ったまま地際を削るように草刈りがざっくりできます。
刃をよく研いでおけば、立ったまま振って草を流れるように刈れます。
種を蒔く溝を切る、土寄せをするのも楽チンです。
さらには、地下茎の雑草達を物ともせず、根や茎を切りながら粘土質の土も、時間はかかりますが土を削るように浅く耕すこともできます。
そこそこ広い場所を自力だけで開墾するのであれば、三角ホーは大活躍してくれることでしょう。
ただし、石だらけの土地では刃が欠けまくって、刃を削ったり研いだりする回数が増え面倒かもしれません。


それから、鍬。

時間かかったりコツが要ることもありますが、大抵のことは鍬でできます。
水脈の溝を掘る、畝をたてる、土をすくう、土寄せ、草の地際を削る…などなど、平鍬はオールマイティです。
畝立てなんかは、1mオーバーの幅広の畝作りでなければ、耕す→土を上げる→鎮圧する(凸凹を押さえて整える)の一連を、流れるようにできます。

鍬もいろんなタイプがあります。
実際に持ってみて重さ、柄の長さが自分に無理が無いかを確認すると良いです。
刃の長さ、幅なども様々ですが、私はホームセンターで売られているオーソドックスでコンパクトなやつを買いました。
最近これより刃の幅が狭い(細い)鍬をもらったので使ってみましたが、これは三角ホーに少し近い仕事ができます。盛れる土の量は少ないですが、オーソドックスな鍬では刺さらないほどの根や硬い土でも、これは耕せました。

錆びてますが、耕してるとすぐに研磨されてピカピカになります…


畝立ての時に、畝の表面を鎮圧(土を軽く押さえて表面の凹凸を無くす)をするのですが、鍬に凹凸が無い方が効率が良いと言う方もいます。凹んでいる部分が平らにならないので二度手間になる、と。
私は凹凸がある鍬を使っていますが、鎮圧時に不便に感じたことはほとんどありません。




もし畑が田んぼ跡だとかの泥土でいつもしっとり濡れているような土地ならば、鎌、鍬に次いでスコップを加えたいところです。
なぜなら、泥土を鍬で耕すのはとても重労働。乾いていれば土はカチカチに固いし、濡れていると粘土団子のように重い…。
そして、場所によっては地下茎極太雑草が、丈夫すぎる根を所狭しと張り巡らせていて鍬が刺さらない。
など、初心者には結構ハードな耕し作業になります。
スコップならば、体重を乗せたりして腕や手首に負担の少ない方法で耕せます。
こんな風に↓

挿して
足で上から押し込んで
テコで前に押し出す。この瞬間ブチブチと地下茎が抗いながら切れる音が響く我が畑。

ちょっとわかりにくいですが、上から土に刺して、足を乗せて体重をかけて押し込む、それをテコの原理を使い少しだけ持ち上げる、という感じです。

水持ちの良い粘土質の土地は、チガヤやスギナなど地下茎を地中に張り巡らせている雑草が多く生えていることが多い、はず。
何故なら、閉まった泥土の中に酸素が入りにくいので、言わば通気トンネルを掘っている(耕している)働き者が、地下茎雑草達!と思うからです。

ところが、開墾する時はこれが厄介。
鍬を振り下ろして土を持ち上げようとしても、根が引っかかってでかい粘土の塊団子みたいになってしまったり、それ以前に鍬が根に阻まれて土に刺さらないこともあり、で、なかなか初心者には難しい。

あれ?こんなん耕すって言えるの?と写真見て思ったそこのあなた。
きっと、よく見る更地のように草一本生えてない綺麗な土が盛られている様を思い浮かべていることでしょう。

そもそも、土を耕す行為は、土の中にいる好気性球菌達に大好物の酸素を供給して活発に働いてもらい、作物に栄養供給や病気予防の手助けをしてもらうため、が自然栽培的目的。
耕しすぎても土の中の生き物たちの構造が変わったり、逆に土の中に空気の通り道が無くなってしまい、であまりよろしくないです。
要は、土の中に空気が送られるように通気口を作ってあげられればそれで目的達成なわけです。
こんな耕ししかしていなくても(いや、結構大変だったんですよ?)、2年目にはチガヤが激減して土が少し柔らかくなっているから、効果ありです。

それから、芋類などの土の中にできる作物を収獲するのにもスコップは便利です。
実は畝立ても、スコップでできます。
川口由一さんの自然農だと、スコップで土木工事のように大きな畝を作ったりします。
大きな畝を作るには、畝間からたくさん土を掘り起こさないといけないので、鍬だけでは大変。やはり掘る、運ぶはスコップ最強です。


ここまで書くと、鍬無くてもスコップありゃいーじゃん、と思いますが。
整える作業なんかは、やっぱり鍬がやりやすい。



その他の、防虫ネットやら支柱やらは栽培する野菜によりけりです。
何を育てるか決めてから必要な長さや幅を決めれば無駄になりません。

ちなみに、畑も脱プラを目指している私は、豆類の支柱を今年はオクラの残渣と剪定した果樹の枝で自作しました。

真ん中のがオクラの残った茎。麻紐で剪定枝を結んでます。


一部トンネルも、乾く前の生木を曲げてやってみましたよ。

大根ちゃんの種取りシェルター


交雑防止用の防虫ネットは、他に代替案が浮かばず使用しています。



【服装】
これは好みがありますし、地域によっても違います。
虫刺されがとにかく気になる場所であれば、薄手のパンツや長袖は全く防除になりません。奴らは服の上から刺しやがる。

暑くても、パンツは生地の厚いものを、上着はふわっとして肌に密着しないものが虫刺されを防ぐにはお勧めです。
パンツに関しては、ふわっとした薄手の生地だと、農作業でしゃがむことが多くて結果肌に密着する部分が多いんですよね。そこをすかさず奴らは狙ってきます。
アブや蜂はまた違うでしょう。私の畑にはアブがほどんどいないのでわかりません。アブがいる畑の方が良いらしいんですけどね。

生地の種類は、例えばチャドクガの毛虫の細かい毒毛とか、目に見えない小さい虫とかに刺されるのを防ぐには、化繊のつるっとした生地の方が良いみたいです。(山仕事していた人談)
私は炎天下で化繊を着ると熱がこもる感じがして苦手なので、よっぽど草ぼうぼうの土地に入るとかでなければ麻やウールを着ています。
ウールは汗の気になる匂いを抑える効果があるだけでなく、汗冷えしにくいというメリットもあります。調湿機能があるため夏でも意外と蒸れにくく暑くなり過ぎません。夏用のウール製品もありますので、羊毛製品猛烈にお勧めします。
色に関して言うと、濃色のほうが蚊が寄ってきやすいように思います(保護色だから?)。日焼け防止なら色が濃ければ濃いほどUVカット効果は高まります。
あくまで私の体験談ですが、濃茶の化繊パンツを履いていると蚊が鬼のように刺してきます。
綿パンの方が刺されにくい気がするので、最近は綿100久留米織のモンペを愛用しています。
このモンペが実に良い!織り方の違いなのか、綿でも乾きが早く、丈夫で軽くてさらっとした肌触り、股上がしっかり深いから背中が露出しにくい。そして安い!
日本の伝統技術の素晴らしさよ。

それ以外でお勧めは、パタゴニアのワークウェア。
ヘンプやオーガニックコットンを使用しているので、厚手でタフな生地でも着ていて肌がちゃんと呼吸している感じがします。
パタゴニアの服は、うまく言えないけれど、儲けたろ!これやったら売れるやろ!的な意図が感じられず、着ていて自然に馴染む感じがします。

足回りは、夏の35度越えるような暑さでなければ、折りたたみできる柔らかい長靴(私は野鳥の会の長靴)を愛用しています。
真夏の長靴は蒸れるし熱を吸収して焼けるように暑いです。
なぜ柔らかい長靴かというと、農作業はしゃがむことが多いからです。
しゃがむときに生地がしっかりした長靴だとその厚みが圧迫感になり痛かったりします。
折りたたみの長靴は圧迫感がないだけでなく、最大で伸ばせばひざ下丈になり耕したり除草しているときに中に土や草が入りにくいし、虫よけにもなる。そして暑いときは、本体ごと少し短めにと長さを調整できるのも便利です。

手袋は、好みが大きく分かれると思います。
高くないのでいろいろ試して自分に合うものを見つけるといいと思います。
私は今のところワークマンの99円天然ゴム手袋に落ち着いています。
手首までなのか、肘まであるものなのかも好みですね。
手首までのオーソドックスな手袋なら、手首が汚れないようにアームカバーを重ねるのをお勧めします。
なぜなら、手元の肌が少しでも露出していると、土を触っているときに蟻に刺されたりチャドクガにやられたりマダニが食いついたり草で切ったり…とにかく痛い思いをすることが多いからです。
以前、私は肌で土や植物と触れ合いたいなんて思って手袋をしない時期がありました。
いやもう、毎日腕が赤く腫れたり切れたり…それはそれは大変でした。
冬場はしなくても大丈夫なことが多いですが、生き物の活動が盛んな初夏~晩夏に長時間草や土に触る時は、肌を露出させないことをお勧めします。


長くなってしまいましたが
難しいことは考えず、なんとなくピントきた鍬と鎌を買ってとにかく畑にいる時間を長くとることです。人によって体格や癖、農法、土地の条件が違うのでまずは土を観察してとにかく触ってみる、ここからです。



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