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「初心者歓迎」の落とし穴

趣味のイベント内容を見ると、「初心者歓迎」という言葉が書いてある場合がある。初心者は、この言葉を目安に参加することも多いだろう。

しかし、この言葉はトラブルの可能性を秘めていると思う。「初心者歓迎」は「主催者側が初心者を求めている」ことは間違いないが、重要な「なぜ初心者が必要なのか」まではわからないからだ。


「初心者歓迎」を使う理由を考える

なぜ初心者が必要なのか。初心者歓迎の言葉を使う理由として、以下の例が考えられる。

①初心者向けのイベントをやりたいから
②趣味のメンバーをイチから育てたいから
③参加人数を増やしたいから
④初心者をボコボコにしたいから

①~④の全ての目的において、イベント内容に「初心者歓迎」と書いてあっても問題はない。まあ、流石に④のパターンのようなイベントはそもそも成り立たないとは思う。そんなイベントはないと信じたい。


①「初心者向けのイベントをやりたいから」

初心者歓迎の意味を単純に考えるなら、このタイプのイベントが思いつく。他のパターンと比べると、初心者が最も参加しやすいイベントになるだるう。このイベントは初心者が主役のため、安心して参加できる。

もし①のようなイベントをやるのであれば、イベント内容に「初心者歓迎」の文字だけではなく、明確に初心者がメインターゲットであることを記載するべきだろう。例えば「初心者のための」「初心者向けの」などである。

それをしないと「初心者向けのイベントと知らない経験者」が来てしまう。初心者に配慮しない遊び方をされないよう、イベント内容の告知する時点で注意したい。


②「趣味のメンバーをイチから育てたいから」

この理由で初心者歓迎を使っているイベントは、チームで戦う趣味の場合が多い。この理由は①と似ているようで微妙に異なる。

それは、主催者の狙いが「自分たちで初心者を育てた経験者が欲しい」という事だ。すでに別グループでその趣味をやってきた経験者を連れてきた場合、考え方が異なる場合があり、トラブルになりやすい。それならば、初心者から育てたほうがよいという考え方だ。

初心者とイベント主催(もしくは既存メンバーの経験者)で利害が一致していれば問題はないのだが、初心者が進みたい方向とイベント主催の求めるものが一致していないとトラブルの元である。

とはいえ、イベントの内容に「初心者歓迎、〇〇のためにみなさんに教えます!」と記載しておけば、トラブルは起きにくい。うまくなりたい初心者にとっては①よりも②のイベントのほうが良いだろう。


大会優勝を狙う「初心者歓迎」の野球イベント・サークル+なんとなく野球を楽しみたい初心者=考え方の違いでトラブルに
「大会優勝を狙っています」とイベント内容に記載するだけで、考え方の違いによるトラブルは起こりにくい。起きたとしても、その参加者がイベント内容を読んでいないだけだ。


③参加人数を増やしたいから

①②は初心者に対するフォローをするので問題はない。しかし、この③は非常に厄介である。目的が人数を増やすだけのため、「初心者歓迎」の文字につられ初心者が参加し、イベントを100%楽しめないパターンになりやすい。

もちろん、明確に「参加人数を増やしたいから」という意味だけで使っているイベントばかりではないと思う。しかし、結果的にこの意味になっているイベントは結構あるように思う。
特に初心者に対するフォローを考えずに「初心者歓迎」を使っているのであれば、それは「参加人数を増やしたいから」以外の何物ではないだろう。

何も考えずとも「初心者歓迎」の漢字5文字をイベントの内容に書くだけで、参加者の幅を広げることができる。一時的に参加者を増やすことができるだろう。

しかし、初心者に対するフォローがないのであれば、一時的に増えた初心者の多くはもう一度参加することはないと思う。なぜなら、遊びの多くは初心者と経験者が同時に楽しめるようにできていないからだ。初心者・経験者両方が混ざっても、問題なく楽しめる遊びなんて、ビンゴとじゃんけんぐらいだ。

結果、初心者は経験者にボコボコにされて帰ることになる。その初心者は、その趣味が嫌いになってしまうかもしれない。一時的に参加者を増やすことはできるが、未来の経験者候補を失うことに気付くべきだと思う。


「初心者歓迎」の落とし穴

ここまで、「初心者歓迎」をイベント内容に書く主催者側も、イベント内容を読む参加者側も、気をつけるべき言葉であることを書いてきた。

主催者は初心者歓迎という言葉だけではなく、その言葉を使うに値する内容の詳細を書くべきだと思う。初心者を歓迎するのであれば、初心者に対するフォローが充実していることを記載するのだ。
もし、初心者に対するフォローが特にないのに「初心者歓迎」を使っているのであれば、消すべきだと思う。気軽に人増やせる魔法の5文字だが、一時的な人数増加のために使うのは避けてほしいのが自分の気持ちだ。

そして、参加者側は初心者歓迎という言葉だけで参加を決めるのではなく、他の部分もよく見て参加するべきだと思う。一番避けたいのは③のパターンだ。そして、①②なのか、③なのかを見極める必要がある。
後悔のない選択をするべきだろう。


初心者歓迎という言葉は「落とし穴」が存在する、取り扱い注意の言葉である言うのが自分の主張だ。
この言葉をイベント内容に使う事も、参加する指標する事も、別に悪いわけではない。ただ、トラブルを生んだり、せっかく参加したのにつまらない思いをすることになる可能性があるという事だ。

初心者歓迎に関わらず、イベント内容の告知は誤解が発生しないよう、ハッキリと書くべきだと思う。



次回、初心者ボードゲーム会を主催して体感した、「初心者と一緒に遊びやすいボードゲーム」について語ります。

気が向いたら程度でかまいませんが、いただけたら超喜びます