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なぜ3つのボードゲーム会を主催したか

今までの記事で、私が広島で小規模なボードゲーム会をやっていた事を何度か書いてきた。私はボードゲーム会を60回ほどやってきたのだが、実際には3種類のボードゲーム会に分かれている。

主催者が同一人物で、やることはボードゲームであるものの、明確に分けて運営をしていたのだ。今回は、それぞれのボードゲーム会の目的・役割、ボードゲーム会を3つに分けていた理由について話していく。


以前、趣味イベントをやった理由について記事にした。

この記事で書いているように、以下の2つがボードゲーム会を開く動機である。
 ・知らない人と知り合って話したい
 ・「これ面白いですね!」を聞きたい
これらを達成するため、ボードゲーム会を3つに分けてイベントを開いていた。

まずは3つのボードゲーム会について、個々の概要と目的を書いていく。


初心者ボードゲーム会(カフェ開催)

まずはカフェで開催したイベントについてだが、以下に箇条書きでまとめてみた。

メイン目標:自分も既存メンバーも面識ない人と会う
サブ目標①:ボードゲームの楽しさを知ってもらう
サブ目標②:参加者同士で仲良くなる
心掛けていたこと
・面識がない人でも参加しやすい環境づくり
・積極的な告知
・初心者でも楽しく遊べるボードゲーム選択

このボードゲーム会は「自分が知らない新しい人と会う」が一番の目的である。そのためには、告知を行うことと、参加しやすい環境を作ること、その2つが大事となる。

告知については、1年間の広島生活でtwitterのフォロワーがある程度増えていたので、その人たち向け+αに告知をしていた。また、参加者の管理ツールとして、twitterアカウントがあれば使えるtwiplaを採用した(他のイベントをを参考に)。
実はInstagramでも告知をしていた時期もあったが、フォロワーが少ない事、参加者管理がしづらくなる事からInstagramは停止した。ジモティー等の複数の媒体で宣伝した方がより人が集まったとは思うが、主催の労力も考えてtwitterのみとした。

イベント場所をカフェとしたのは、新しい人が参加しやすくするためだ。幸いにも公民館よりは高いが、利用料が安い場所があったので助かった。また、twiplaは参加メンバーを事前に確認することができるので、それも新しい人が参加しやすい一つのポイントだと思う。

他、イベントの説明欄には、「ルールが簡単でプレイ時間の短いゲームで遊ぶ」「初心者・初参加にやさしい会を目指す」と明記した。これにより、経験者でないと楽しみづらい複雑なゲームや、自分が楽しみたい経験者を排除できるようにしている。明記することで、注意する理由付けができるのだ。
また、イベント中にどのボードゲームをやるかは、主催者がある程度決めていた。初心者向けでないゲームを、初参加や初心者の人がやるという状態を避けるための決まりである。独断になりすぎるのが怖かったが、初心者を守ることはできたと思う。


初心者ボードゲーム会(バー開催)

続いて、バーで開催したイベントについて、箇条書きでまとめてみた。

メイン目標:自分がより仲良くなりたい人と遊ぶ
サブ目標①:ボードゲームの楽しさを知ってもらう
サブ目標②:参加者同士で仲良くなる
サブ目標③:自分も既存メンバーも面識ない人と会う
心掛けていたこと
・主催からの招待メインで告知は控えめに
・ただし招待は積極的に
・ボードゲーム「で」遊ぶ

このボードゲーム会は「自分が気になる人と遊ぶ」が一番の目的である。そのためには主催主導で参加者集めることと、仲良くできるようにイベントを進行すること、その2つが大事となる。

自分が気になる人と遊ぶためには、参加者をどう集めるかが重要となる。
バー開催ではカフェ開催に比べて告知の量は減らし、参加申請は主催にDMを送る形とした。
その代わり、初参加となる人には個別で声をかけ、2回目以降の参加はLINEやtwitterのDMグループを参加申請の場としていた。
つまり、「気になる人」を多く呼ぶため、一般募集のハードルを高くし「一言さんお断り」方式としたのだ。もちろん「面識ない人と会う」というサブ目標もあるので、完全な一言さんお断りではないが、それに近い状況ではある。

一方、一般募集がないことで集まりが悪くなったり、メンバーのマンネリ化が問題として挙げられる。それを避けるため、毎回3人はこのボードゲーム会に参加したことがない人を誘うようにしていた。
誘う人は「自分が仲良くなりたい人」が一番で、追加で「ほかのボードゲーム会に積極的に参加しなさそうな人」「初心者を立てて楽しく遊べる人」を踏まえて誘った。
また、2回以上参加いただいている人には、友達を連れてきてもらうように積極的にお願いをした。それにより、自分が誘えない、面白い人を連れてきてもらうこともできた。

イベント当日の進行で気を付けていたのは、遊ぶボードゲームの選択だ。カフェの時よりもワイワイ遊べるもの、会話が弾むものを積極的に選んでいた。仲良くなりたいが一番の目的なので、人となりがわかるようなゲームをやることが多かった。
場合によってはゲームをせずに話をすることもあった。全員が望めばそういうパターンもアリかなと思う。

なお、初参加の人で「この人は違うな」と思ったら参加申請用のLINE・DMグループの話はしない。非情で独裁的かもしれないが、この方法で参加者のコントロールをしていた。


初心者ボードゲーム会(公民館開催)

3つ目、公民館で開催したイベントについて、箇条書きでまとめると以下のようになる。

メイン目標:ボードゲームの楽しさを知ってもらう

サブ目標①:自分も既存メンバーも面識ない人と会う
サブ目標②:参加者同士で仲良くなる
心掛けていたこと
・ボードゲーム「を」遊ぶ
・カフェ・バーに来てくれた人に積極的に告知
・カフェ・バーとは異なるボードゲームを選択

正直、一番「初心者ボードゲーム会」の名前に合ったイベントだと思う。
主催者との面識の有無にかかわらず、ボードゲームを紹介するために開いているイベントである。

バーとは異なり、ボードゲーム「を」楽しむ会とし、イベント時間中にたくさんのボードゲームを遊んでもらう事を主目的とした。それを達成するため、ボードゲームに慣れている経験者の人には、ボードゲームの説明・ボードゲームの持ち込みのお願いを事前にしている。

また、twitterでも告知を行い、バーの参加申請グループでも告知をするようにすることで、カフェ・バーで「ボードゲームをもっとやりたい」という人を集めるようにしていた。

そして差別化を図るため、カフェでやっていたボードゲームよりも、ちょっと複雑でちょっと時間がかかるボードゲームを選択するようにしている。
ただし、「初心者向け」と明記した会なので、カフェ同様、どのボードゲームをやるかは、主催者がある程度決めていた。カフェ開催よりも「そのボードゲームはちょっと」ということが多かったと思う。
加えて、このイベントは土日開催である。カフェ・バーは平日夜に行っていたので、それらに参加できない人向けのイベントの意味もあった。


2つの最終目標

以上が、3つのボードゲーム会の概要・目的となる。ボードゲーム会と言っても、それぞれ目的が異なっていることがわかると思う。

さて。この記事の冒頭で、以下の2つがボードゲーム会を開く動機であると記載した。
 ・知らない人と知り合って話したい
 ・「これ面白いですね!」を聞きたい
これらは3つのボードゲーム会を開催することで満たされるものになる。しかし、この3つの異なるボードゲーム会を同じ主催者が運営することで、参加者は以下の最終目標に到達することになる。
 ・他の方が主催しているボードゲーム会へ参加するようになる
 ・ボードゲーム会以外でも主催者と遊ぶようになる

自分が主催していた3つのボードゲーム会は、どれも初心者に向けたゲームだ。「他の方が主催しているボードゲーム会へ参加するようになる」ということは、初心者に向けたゲーム以外にもやってみたい、ボードゲームにハマったという証拠に他ならない。ボードゲーム紹介者冥利に尽きるわけだ。

「ボードゲーム会以外でも主催者と遊ぶようになる」というのは、十分仲良くなった証拠と言えるだろう。別の遊びや飲みを通じて、さらに仲良くなって友人が増えていくのは楽しい限りだ。

ここからは、上記「2つの最終目標」に、3つのボードゲーム会がどのようにかかわってくるかについて話をしていく。
下図は来てもらいたい人・3つのボードゲーム会・最終目標を矢印で結んだ図となる。

スライド1

4パターンの来てもらいたい人がいて、彼らが3つのボードゲーム会を渡り歩くいくつかの「ルート」が存在する。
その中で、最終目標にたどりつく「2つのルート」を紹介する。


ボードゲームにハマるルート

自分がボードゲーム会をやり始めたころの話になるが、「開催場所が公民館」で「初心者のためではない」ボードゲーム会が多かった。「初心者に配慮した」ボードゲーム会はあったが、初心者を中心にした会は存在しなかった。

上記のボードゲーム会に知り合いがいるならまだしも、面識がある人がいないボードゲーム会に初心者が参加するのはハードルが高い。
そんなハードルを段階的に超えられるよう、自分は複数のボードゲーム会を主催したのだ。

下図は「ボードゲームにハマるルート」に着目した図である。

スライド2

まず、カフェ開催のボードゲーム会に来てもらう。面識がない人でも参加しやすいような場所・内容にしているのでハードルは低い。
カフェでボードゲームにハマったら、違ったタイプのボードゲームができる、公民館開催のボードゲーム会に来てもらう。「公民館の敷居の高さ」を感じたとしても、主催者が同じなので他イベントよりは参加しやすい。
公民館開催のボードゲーム会に参加することで、「公民館は大丈夫」というイメージを持ってもらう。また2つのボードゲーム会を通じて、知り合いも増えるだろう。
公民館に慣れ、知り合いもできた状態になれば、もうハードルはないようなものだ。ボードゲームにハマり、他の方が主催しているボードゲーム会に参加するようになる。

ハードルを一つ一つ解消していくために、ボードゲーム会を分けているのだ。


仲良くなるルート

人と仲良くなるためには、まず仲良くなりたい人と知り合う必要があるし、相手を知るためのよりよい場所を作る必要があると思う。

下図は「仲良くなるルート」に着目した図である。

スライド3

面識がない人は、まずカフェ開催のボードゲーム会に参加することになる。カフェ開催は積極的に告知をしているので目に留まりやすく、公民館に比べ参加のハードルが低いからだ。
カフェ開催のボードゲーム会に参加した面識がない人の中で、「この人面白そうだな」という人をバー開催のボードゲーム会に招待する。バー開催は会話も行えるようなイベントのため、話をしてより知ることができるだろう。他メンバーも楽しげな人を集めているので、より仲良くなりやすいと思う。
そうやって、仲良くなっていくことで、ボードゲーム以外の遊びや飲みでも遊ぶようになる。

既存メンバーの友人の場合も基本的には上記と同じルートをたどる。ただ「類は友を呼ぶ」の通り、面白い人の友人は面白い人の場合が多いので、いきなりバー開催のボードゲーム会に来てもらうことはOKとしていた。
(たまに2回目以降を誘わない人も出てくるが・・・)

面識のない人と知り合い、仲良くなる事を一つのイベントで行うことは難しいと思う。面識のない人全員が仲良くしたい人ではないだろうし、仲良くするための雰囲気を作ることも重要だからだ。「新しい人と知り合うイベント」と「仲良くなるためのイベント」を分けることは重要だと思う。


以上が、3つのボードゲーム会の個々の概要・目的と、3つに分けた理由である。無理に一つのイベントにいろいろな目的を詰め込むのではなく、複数に分けたほうがやりやすいと個人的には思う。

次回は、主催をやったからこそ意識している「趣味のイベントに参加する時に気を付けていること」を書いていく。

気が向いたら程度でかまいませんが、いただけたら超喜びます