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科特隊基地をつくる【第16話】逆錐棟の外壁施工

【窓なのか、排気口なのか】

看板建築というものがある。
木造の町家の正面だけをタイルや銅板などで装飾して、正面からだけ立派な建物に見せるという建築様式だ。関東大震災の後に商店などで流行ったらしい。最近でも、各地に残っているようで、昭和レトロとして人気があるようだし、江戸東京たてもの園には、武居三省堂をはじめとする典型的な看板建築が何棟か展示されている。

じつは前回の動画は、まさにこの看板建築みたいなものだった。発進ギミックがうまく動作したので、なんとしても動画を作成したいという思いを抑えられず、小型ビートルの発進口のある側の壁面だけを仮設で貼り付けて、急遽、撮影に臨んだというわけだ。

前回撮影した看板建築状態の逆錐棟。じつは写真に映っていない反対側は手つかずのまま。
壁面の窓(筆者は排気口だと思っている)も急いで仮設したためずいぶん粗雑だ。

小型ビートルの発進ギミックの制作にずいぶん手間取ってしまい、手を入れたい部分はまだまだがあるのだが(小型ビートルの上端は収納するときに扉にぶつかってしまうし、小型ビートルの尾翼がまた折れてしまった)、いちおう目的の動きは達成できたということで、次のステップに進みたい。

まずは、逆錐棟の仮設の外壁を、きちんとつくりなおす。
逆錐棟は、放映時期のモダニズム建築によくあったコンクリートの打ちっぱなしなのだろう。グレーの外壁に、黒い小窓が並んでいる。

ちなみに、この小窓。傾斜棟の窓とスケールがまったく合わないという指摘があるようだ。
放映時の制作スケジュールの都合でいろいろとあったらしいのだが、それよりも、この黒い"小窓"は、窓ではなくて、小型ビートル発進時の噴射煙の排気口と考えてみてはどうだろう。

というのも、発進ギミックをつくっていて、逆錐棟は小型ビートルの発進関連の設備でほとんどのスペースが埋まってしまうように思えた。この中に、司令室やら居住スペースなんかを設置する余裕はとてもなさそうだ。そもそも発進時の噴射煙や騒音を考えると、人が活動できるスペースだとは思えない。電子機器を設置するのも難しいだろう。
むしろ、この棟は小型ビートルの発進専用の建物だと考えたほうが合点がいく。となれば窓も不要だろう。

小型ビートルの発進機構でこんなにスペースが必要になる。
司令室やら居住スペースやらを設ける余裕はないように思えるが、どうだろう。
ちなみに小型ビートルの左右の垂直尾翼は修理中で欠けている。

そんなわけで、黒い"小窓"は排気口と判断し、その部分はアクリジョンの「タイヤブラック」で塗装した。壁面は「明灰白色(三菱系)」に「フラットベース」をまぜてつや消しにしたものを塗った。

逆錐棟の外壁を貼った段階。まだまだ手を入れるつもりだが、とりあえず記念撮影。

壁面はもうちょっと手を入れるつもりだし、壁面の流星マークもまだ貼り付けてないが、とりあえず基壇部分と組み合わせてみた。
プロジェクトの例にもれずに進捗は遅れがちではあるが、それでも少しずつ前に進んでいることが実感できてうれしい。


【第17話】小型ビートルの修理 につづく
【第15話】スピードコントローラーの導入 にもどる
【第1話】はじまりの秘密基地 にもどる


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