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科特隊基地をつくる【第13話】ギミック用ギヤボックスの換装

【小型ビートル発進機構12型の開発】

なんだか不満である。

いったん完成した小型ビートルの発進ギミックだが、うれしくて何度も何度も動かしているうちにがまんできなくなってきた。どうにも動きが軽々しいのである。

いわゆる円谷プロでは特撮シーンをハイスピードカメラで撮影して重量感をだしたそうだ。超高速で撮影すると対象物がゆっくりと動くから、それだけ迫力が増すということだ。
そこで、発進シークエンスの動きをもっとゆっくりにしようと考えた。

まずはモーターの電圧を下げてみる。単三電池2個(3V)で動かしていたモーターを電池1個(1.5V)にすると、モーターの回転速度が落ちて動きがゆっくりになる。なかなかいい感じだ。
メリットはそれだけではない。
タミヤのラック&ピニオンは、大きな力がかかったときにはクラッチが空回りしてモーターやギアを守るというスグレモノだ。ただ、空転する際にガクンガクンと振動してしまうという問題があった。そのため建物が揺れてしまい、スケール的には基地が地震に襲われたかのようになってしまうのが気になっていたのだが、それが解消されたのである。

ただ、悪いこともある。
単三電池が1個だと始動トルクが足りないのか、スイッチを入れてもときどき動き出さないことがある(あとからこのギヤボックスの説明書をよく読んでみたところ、基本電圧は3Vという記載があった)。
動いたり動かなかったりでは困るので、電池を2個に戻したうえで、抵抗を使って電圧を落とせないか試してみた。電飾用に買ってあった抵抗のなかからいちばん値の低い6.8Ωをとりあえずつないぐと、モーターが空転しても振動しないようになった。なんだかとてもラッキーだ。

こうなるともっと欲がでてくる。
もう少しゆっくりと動かせないだろうか。抵抗の値を増やしていけばいいのだろうが、どの程度にすればいいのかわからない(自分なりに計算して100Ωほどの抵抗をつなぐつもりだったが、たまたま手元にあった6.8Ωをつないでみたらなぜかうまくいっただけ)。計算方法がよくわからないし、かたっぱしから試してみたくても手元にある抵抗の種類は限られる。そもそも乾電池は使えば使うほど電圧が低下していくのだから、常に安定して動くとはかぎらない。

そこで抜本的な解決策として、モーターのギヤ比を変えることにした。いままで使っていた「ミニモーター薄型ギヤボックス(2速)」を「ミニモーター低速ギヤボックス(4速)」に換装する。
これで、ギヤ比はいままでの149.9から661.2となり、1分あたりの回転数は42rpmから9rpmまで落ちる。計算では4分の1弱ほどのゆったりとした動きになるはずだ。

タミヤの「ミニモーター薄型ギヤボックス(2速)」(左側)を
「ミニモーター低速ギヤボックス(4速)」(右側)に変更した。

換装するには、モーター軸の高さにあわせて、ギヤボックスの取り付け位置を変更しなければならない。あと、ギヤ比変更にともなってトルクも増すから、ラック&ピニオンのクラッチが空転する際にガクンガクンとなるという問題が再燃することも考えられる。
やるべきことは多い。
エンジン換装を急に指示された川崎のキ100(五式戦ね)開発陣も大変だったろうな、と思いをはせてみる。


【第14話】小型ビートル発進ギミックの改良 につづく
【第12話】小型ビートルの発進ギミック 後編 にもどる
【第1話】はじまりの秘密基地 にもどる


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