見せかけの環境配慮を見抜け! 「グリーンウォッシング」
環境やエネルギーに関連する用語には、普段の生活では聞きなれない言葉も多いかもしれません。「地球環境トピック」では、そんな言葉の意味や誕生したきっかけ、背景にある社会問題をわかりやすく解説していきます。
第2回目のテーマは「グリーンウォッシング」。“見せかけ”だけの環境配慮や再生可能エネルギーに対して、私たちがどのように向き合っていくべきかを考えます。
「グリーンウォッシング」とは?
実態を伴わない、見せかけの環境配慮に要注意
環境に配慮していることを意味する「Green」と、汚れたものを白く塗り上辺を取り繕うことを意味する「White Washing」。これらが組み合わさった造語が「グリーンウォッシング」です。1980年代にアメリカの環境活動家によって提唱され、広く知られるようになりました。
世界規模で企業の環境配慮や持続可能な経済活動が注目されている現在、企業が自社のイメージアップを目的に、見せかけだけの実体を伴わない環境対策を行なうケースが増えており、主に以下のようなものがグリーンウォッシングの事例として挙げられています。
<企業によるグリーンウォッシングの事例>
・製品・企業広告のなかで環境負荷が低いことをアピールしているが、正当なデータなどの裏付けがなかった
・100%リサイクルをうたっていた飲食店の紙製ストローが実際には廃棄されていた
・リサイクル素材の使用を売りにしているアパレル商品に、素材の含有量などの具体情報の表示が欠けていた
グリーンウォッシングの大きな問題点は、環境意識の高い消費者や投資家にこそ誤解を与え、誤った支援を促してしまうということ。つまり消費者側では環境に配慮したアクションを行なっていたつもりが、結果的に逆方向の行動になっていた……という事態も引き起こしかねないのです。
さらに、このようなことが頻発すると、消費者や世間の不信感も高まるため、本当に環境に配慮している商品まで売れなくなってしまう可能性も考えられます。
こうしたグリーンウォッシングを防ぐべく、欧州各国では企業の虚偽調査や規制強化が進んでいますが、日本は一歩遅れている状況でもあり、いち早い対応が求められています。
見せかけに惑わされないために、消費者ができること
では、グリーンウォッシングに騙されないよう、消費者側は具体的にどのようなことに気をつければよいのでしょうか。
イギリスのFuterra社が2009年に発行したグリーンウォッシングを防ぐためのガイド「Understanding and Preventing Greenwash: A Business Guide」では、グリーンウォッシングを見抜く基準として以下の10個の注意点が挙げられています。
商品に書かれていることや企業のうたい文句を最初から信じきるのではなく、まずは自分で実際に調べてみること。そして、ブランドの成立背景や企業の日頃の取り組み、それらを取り巻く周辺情報にまで視野を広げ、本当に環境のことを考えている企業や製品を選び抜く目を養っていくことが、私たち消費者にできる最初のステップなのかもしれません。
再エネ業界にも潜むグリーンウォッシングを見極めるために
“再生可能エネルギー業界におけるグリーンウォッシング”についても、考えていきたいと思います。
まず、再エネには、その発電方法や、もっている“価値”によっていくつか種類があります。一口に「再エネ」と言っても、なかには化石燃料やCO2を排出する方法で生み出した電気に、非化石価値をつけたもの(実質再エネ)なども存在しており、再エネだからすべて環境に良いとは言い切れない現状があるのも事実です。
では、グリーンウォッシングに陥っていない、本当に環境に配慮した再エネとは一体どのようなものなのか? パシフィコ・エナジーは「電気をつくるときのCO2排出量がゼロ」であり、「再エネを使用することで新たな再エネの普及・促進につながる」エネルギーこそ、真に持続可能な再エネであると考えています。別の言い方で言うならそれは、現状の環境汚染を断ち切り、今後の環境保全につながっていくような、私たちの未来にプラスになるエネルギーです。
グリーンウォッシングを行なっていない再エネ事業者を見極めるには、新規の発電所開発や設備投資に積極的に取り組んでいるかどうか、がひとつの指標になるかもしれません。電気も普段の買い物と同じように選べる時代。環境に対して貢献するために、その背景にまで気にかけて選んでみてはいかがでしょうか。
<おさらいポイント>
パシフィコ・エナジーでは、自然に配慮した安心・安全な発電所の建設と運営を行なっており、未来を生きる皆さまにクリーンで安価なエネルギーを地域共生のもと提供すべく日々、努力しています。
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