マガジンのカバー画像

パシフィコ動植物図鑑

12
パシフィコ・エナジーは、地域の環境や生態系との共生を大事にしながら、全国各地で環境配慮型の太陽光発電所を開発・運営しています。そんな発電所のまわりに生息するさまざまな動植物をピッ… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

遊水池に鴨が集まる細江太陽光発電所【パシフィコ動植物図鑑】

太陽光発電所内の鳥類調査パシフィコ・エナジーでは今年もまたまた専門家による鳥類調査を行いました。場所は宮崎県の宮崎市にある細江太陽光発電所。2018年に完成して5年が経過しましたが、遊水池にやってくる渡り鳥は種類も数も年々増えています。 2024年1月に一日をかけて調査した結果、渡り鳥など33種の鳥類が確認されました。そのうち28種が調整池の遊水池付近で確認されており、水辺に渡り鳥が集まっていることが分かります。 下のリストは確認された鳥たちです。このうちトモエガモ、バン

山あいの動物園 - 美並メガソーラー発電所

ゴルフ場を太陽光発電所に 岐阜県郡上市にある美並メガソーラー発電所はかつてはゴルフ場でした。この場所が太陽光発電所になったのは2019年。 標高が高く周辺を森林い囲まれた美並発電所はゴルフ場の地形をそのまま生かし造成工事量を極小化してコースの間の木々がそのまま残されています。周辺の自然との境界が曖昧なため毎日動物たちとの出会いが待っています。 建設完了の二年後に自然調査をしてみると 美並発電所が完成したのは2019年の7月。2年が経過した2021年に生物種の調査を専門家

モリアオガエルの観察

今日は、兵庫県にある夢前太陽光発電所からのお便りです。夢前太陽光発電所といえば、毎年春が近づく2月~3月になると、山から何百匹という二ホンヒキガエルが下りて来て発電所内の調整池で産卵をします。その時の援助活動については、この記事でお楽しみください。 その夢前太陽光発電所では、6月になるとすぐ、調整池の周辺の木々に、今度はモリアオガエルの産卵が確認できるのです。早速、発電所の山下所長は「モリアオガエル」についても観察してみました。 モリアオガエルは、兵庫県では絶滅危惧種「B

太陽光発電所稼働後に動植物の生態を調査したら1000種類発見【パシフィコ動植物図鑑】

パシフィコ・エナジーでは自然に配慮した太陽光発電所の建設・運営を行っています。 具体的には次のような取り組みを実行しています。 ゴルフ場跡地など、できる限り過去に工事がなされた場所を選定。 建設計画時に自主的に自然環境調査を実施し、工事計画の変更や希少種の移植などを行い、影響を回避もしくは軽減。 工事後の地表はコンクリート舗装などせず、種子吹き付けによって緑化。 運転中の除草剤や農薬の不使用による水質の向上と生物種の増加。 洪水対策の防災ダム内に斜度の緩い遊水池を

猿の住処、岐阜県美並太陽光発電所【パシフィコ動植物図鑑】

岐阜県にある美並太陽光発電所はニホンザルの楽園です。どこにいっても猿、猿、猿。元々ゴルフ場であったこの場所が太陽光発電所になったのは2019年。 今では訪れる人間が少なくなったため猿の親子の休憩場所になっています。 標高が高く周辺を森林い囲まれた美並発電所はゴルフ場の地形をそのまま生かし造成工事を極小化してコースの間の林帯がそのまま残されています。周辺の自然との境界が曖昧なため毎日動物たちとの出会いが待っています。 なお、これまでに太陽光パネルの破損やケーブルの切断など動

緑の絨毯が広がる古川太陽光発電所【パシフィコ動植物図鑑】

宮城県大崎市にある古川太陽光発電所は56.7MWの発電容量を備えた宮城県内最大の太陽光発電所です。2016年12月より運転を開始し、7年目を迎えています。これまで1万3千戸の家庭消費電力に相当する3.3億kWhのクリーンエネルギーを発電し、17万トン分の二酸化炭素排出削減を実現して参りました。 古川太陽光発電所は大崎市の人里離れた山の中にひっそりと在ったゴルフ場を改変して造られました。ゴルフ場の平坦な地形形状を活用し、太陽光パネルを配置しています。また、除草剤や農薬を使用せ

遊水池に渡り鳥が集まる細江太陽光発電所【パシフィコ動植物図鑑】

宮崎県宮崎市の郊外に位置する細江太陽光発電所は96MWという九州で2番目に大きい太陽光発電所です。2018年から運転を開始しており、年間発電量は約1億kWhで一般家庭約2万4千戸分の消費電力量に相当します。 細江太陽光発電所の特徴はその広大な敷地です。敷地面積は約100haにも上ります。広大な敷地に降る雨を場内で貯めるために敷地面積約7ha、容量27万m3もの大きな防災調整池を設置しています。 この防災調整池とは急な雨が外部にいっきに流れ出すことを防止する目的で設置される

ヤゴだらけの細江太陽光発電所【パシフィコ動植物図鑑】

宮崎県宮崎市の郊外に位置する細江太陽光発電所は96MWという九州で2番目に大きい太陽光発電所です。2018年から運転を開始しており、年間発電量は約1億kWhで一般家庭約2万4千戸分の消費電力量に相当します。 細江太陽光発電所の特徴はその広大な敷地です。敷地面積は約100haにも上ります。広大な敷地に降る雨を場内で貯めるために敷地面積約7ha、容量27万m3もの大きな防災調整池を設置しています。 この防災調整池とは急な雨が外部にいっきに流れ出すことを防止する目的で設置される

主食はスズメバチ!? 優雅に発電所上空を舞う森の王者ハチクマの生態【パシフィコ動植物図鑑】

スズメバチの攻撃もなんのその、ユニークな猛禽類の生態夏を迎えるころ、パシフィコ・エナジーの作東太陽光発電所では、上空を優雅に旋回するハチクマが見られます。ハチクマは、環境省と岡山県で絶滅の恐れがある種に指定されているめずらしい生き物。名前だけ聞くと“ハチ”や“クマ”を連想してしまいそうですが、実は猛禽類のタカの一種で、ハチを好んで食べることと、同じく猛禽類のクマタカに似ていることから、この名前で呼ばれています。 ハチを食べるという特徴的な食性をもつ理由は諸説ありますが、「成

川を下るとビッグな魚に変身!? 太陽光発電所に棲むアマゴの生態とは【パシフィコ動植物図鑑】

自然豊かな発電所に生息する天然アマゴ美並太陽光発電所内にある調整池には、環境省と岐阜県で準絶滅危惧種に指定されているアマゴが生息しています。アマゴはもともと渓流などの上流域に棲む川魚。ここに棲むアマゴたちは、おそらく発電所近くを流れる長良川や吉田川を下ってたどり着いたと考えられます。 アマゴは手のひらサイズほどの小ぶりな魚で、体の側面に「パーマーク」と呼ばれる大きな楕円形の青い斑点と、小さな赤い斑点があるのが特徴です。また、主食は水生の昆虫類で、美並太陽光発電所ではカワゲラ

生存率は1万匹に1匹!? ニホンヒキガエルの産卵の裏側【パシフィコ動植物図鑑】

発電所内の調整池に、オスとメスのペアが卵を産みに来る早春の夢前太陽光発電所の水路に響き渡る「アオアオ」という鳴き声。毎年2〜3月ごろ、発電所内の水たまり(調整池※)に、山から下りてきた大量のニホンヒキガエルが姿を現します。 ニホンヒキガエルが調整池を訪れるのは、産卵のため。彼らは普段、山で暮らしていますが、卵は池や湿地帯といった水辺で産む習性があるため、産卵期は山のふもとで過ごすのです。 ニホンヒキガエルのサイズは、アマガエルのようなカエルと比べるとかなり大きく、成人男性

夏の訪れを告げるホタル。発電所が幻想的な光に包まれる!【パシフィコ動植物図鑑】

心地よい水辺に棲む細江太陽光発電所のホタル毎年、夏の訪れとともに細江太陽光発電所周辺を飛び回るホタル。無数の光が夜空に瞬く景色は、発電所の初夏の風物詩となっています。 一般的に、ホタルの体は大きい方がメス。ただし、おしりの発光する部分はオスの方ほうが大きいとされています。また、夜空を活発に飛び回っているのは基本的にオスで、メスは卵を守るため葉の上などに留まり、静かに光って自らの位置をオスに知らせます。 ちなみに細江太陽光発電所では、宮崎県のレッドリストに記載のある「ヘイケ