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【トンガ噴火津波】世界銀行災害評価報告書、被害額を約104億円と推定

本記事は、2022年2月14日に世界銀行が発表したプレスリリースの記事を翻訳したものです。

原文は以下よりご確認ください。
>>Tonga Volcanic Eruption and Tsunami: World Bank Disaster Assessment Report Estimates Damages at US$90M

世界銀行はトンガ政府に対し、この度のトンガの火山の噴火、津波、降灰による被害は推定9040万米ドル(約104億円)、トンガの国内総生産(GDP)の約18.5%に相当すると評価しました。

1月15日の噴火に関する被害推定(GRADE)報告書は、トンガ政府の要請を受け、他のパートナーとの協議を経て世界銀行が作成したものです。この報告書は、トンガの災害後初めて発表された、火山噴火と津波による物理的損害の推定コストを示す評価報告書です。

本報告書では、住宅、非住宅(観光、医療施設、学校、政府の建物、民間企業の建物など)、インフラ(輸送、電力・水道、海上・航空、海底ケーブルの修理)、農林水産業、降灰清掃などの直接被害について試算しています。ただし、ここには農業や観光業への継続的な影響など、広範囲な経済的損失は報告書に反映されていません。

トンガのタタフ・モエアキ財務大臣は、次のように述べています。
「太平洋地域および世界中の友人たちが、トンガとトンガ国民に示した、わが国への対応と復興支援に感動しています」
「通信や物流が依然として大きな課題となっている中、世界銀行の支援によるこの報告書は、この大災害による被害の程度をより明確に示すものであり、トンガがより強い国へと復興するための次のステップの参考となるものです」。

「1000年に一度の出来事」と言われるほどの今回の噴火・津波では、トンガ全土で推定85,000人が影響を受けています。トンガで最も人口の多いトンガタプ島、エウア島、ハアパイ諸島の一部では、降灰で汚染された水の供給に大きな支障をきたし、津波の被害が最も大きくなりました。

トンガタプ島は推定被害額が最も大きく、約6,900万米ドル(約80億円)に上りました。しかし、被害分布は島によって大きく異なり、アタタ島やマンゴ島のようにほぼ全壊した島もあれば、ヴァヴァウ諸島のように被害を最小限に抑えられたところもあります。

世界銀行パプアニューギニア・太平洋諸島地域担当局長スティーブン・ネグワは、「この報告書は、トンガと同国を支援するパートナーに、この災害による物的被害の規模を示すものです」「トンガの人々が長い間、この災害の余波に対処しなければならないことは明らかです。私たちはトンガの側にいることを誇りに思い、他の多くのパートナーとともに、その対応と復興を引き続き支援します」と述べています。

また、この報告書は、Global Facility for Disaster Reduction and Recovery (GFDRR) の資金提供を受けて作成されたもので、以下のことが明らかになりました。

トンガでは、少なくとも300棟の住宅を含む、合計約600棟の建造物が津波の被害を受け、その被害額は推定4,370万米ドル(約50億円)に上ります。多くの観光事業が特に大きな打撃を受け、宿泊施設、埠頭、労働者の家などが破壊されたり、深刻な被害を受けています。

トンガの農業部門にも大きな影響があり、全国の農業世帯の85%が何らかの影響を受け、作物の損失や浅い岩礁の漁業への被害など、この部門への被害額は2,090万米ドル(約24億円)と推定されています。

津波と火山灰の降灰により、道路、土手道、電力供給、港湾・海水供給インフラ、海底ケーブルなどのインフラには推定2,090万米ドル(約24億円)の損害が発生しています。

火山灰の除去費用は多大で、建物と舗装された道路インフラには500万米ドル(約5.7億円)弱かかると推定されています。

噴火と津波の直後、世界銀行は基本的なサービスを再開し、最も被害を受けたトンガ人家族を支援するための資金としてトンガに800万ドルの緊急資金を提供しました。



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