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2022 参院選 九州北部

今回は九州北部(大分、長崎、佐賀、福岡)の分析をします。

九州南部(前回)はこちら→https://note.com/pachiramaru/n/nc03b59169adc


【大分】

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やはり大分は社民が強いですね。(全国第2位)
選挙区に候補者を擁立した国民(現職候補)の得票率が高いのもポイントです。

2019年と比較します。

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比較すると社民が弱体化していますね。これは2020年に党が分裂し、吉田忠智氏、吉川元氏(大分2区、九州ブロック比例復活)の2名が立憲に合流したことが要因の一つだと考えられます。それでも得票率は約6%あるので、大分県での社民人気(村山富市の地盤)はまだ残っていそうです。

社民の票は合流先の立憲と少しれいわにも流れた感じでしょうか。票数は維新が一番増えましたが、立憲も維新とほぼ同じくらい票を増やしていますね。

ところで「吉田ただとも」と検索しようとするとなぜサジェストに「吉田ただとも かわいい」が出てくるんだ?


【長崎】

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長崎は先程の大分と比べるとかなり自民が強く、野党陣営の票が少なめですね。参政の得票率は3.56%と全国平均(3.33%)よりやや高めで、NHK、社民、れいわの3党を上回りました。

2019年と比較します。

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維新の票が倍増していますね。今年の2月の長崎知事選で自民県連・維新の推薦候補が僅差で現職候補を破ったことで、維新に勢いがついたのでしょうか?(昨年の衆院選の維新の長崎県の得票率は約7.2%でした)
国民民主党の票が大きく票を減らしたのは、前回国民から出馬した白川鮎美氏が今回立憲から出馬したことが影響しているとみています。


【佐賀】

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一見すると自民党の得票率が高いこと以外はあまり特徴がないように見えます。しかしよく見てください。僅差ですが共産よりれいわの票が多いという時空の歪みが発生しています。(全国唯一)
共産は選挙区で候補者を擁立したが、れいわは候補者を擁立しなかった。それなのにこういう逆転現象が起こったのは非常に興味深いですね。

2019年と比較します。

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自民の得票数が2万票以上増えていますね。前回は選挙区が自民現職vs国民元職(野党統一)に対し、今回は自民現職vs立憲、共産、NHK、参政の新人候補と構図が変わったことも関係していそうですね。
長崎県同様、佐賀県も国民は票を大きく減らしていますね。これは選挙区で候補者を擁立しなかったことや佐賀1区の原口一博氏が国民から立憲に移ったことが要因だと思われます。(その証拠に立憲の票が約19,000票増えている)

社民や共産が減らした票はれいわに少し流れた感じですかね。


【福岡】

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れいわの得票率が5.19%で全国第4位ですね。後半の方で詳しく触れますが、福岡に地盤を持つ全国比例候補者の存在は大きいですね。

福岡選挙区は国政政党10党の候補者が揃っていたので、選挙区補正による比例票の偏りはあまりなさそうです。

2019年と比較します。

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福岡でも維新の票が倍増していますね。調べてみると2019年の選挙で維新は候補者を福岡選挙区で擁立していなかったみたいです。維新が力を増したことで、国民の票もある程度維新に流れている気がします。

共産の票は社民、れいわに流れた感じでしょうか。特にれいわは2019年と比べて票が1.5倍に増えたので、前回共産に入れた層が流れていてもおかしくはありません。


【九州北部4県まとめ】

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福岡県の人口が多いので、4県の合計だとかなり福岡に引っ張られますね。第1党が自民なのは当然ですが、第2党は僅差で公明という結果になりました。公明の得票率は西高東低と言われていますが、まさにその通りですね。
九州南部では参政>れいわでしたが、九州北部ではれいわ>参政ですね。九州北部(主に福岡県)ではれいわは存在感を出すことに成功したようです。

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2019年と比較すると維新の伸びが凄まじいですね。(旧)国民や社民の一部が(新)立憲に合流したことで立憲も少し票が増えていますね。
共産が大きく票を減らしたのはれいわに流れたのもありますが、他にも要因がありそうですね。


ここからはれいわについて詳しく掘り下げていきます。
(前半と後半、どちらの需要があるのだろうか?)

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九州北部で最も目立つのは間違いなくピンクの部分(得票率10%以上)だと思います。

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福岡県直方市、全国比例候補者の大島九州男氏(直方市出身、直方市議3期経験)の地盤です。昨年の衆院選でも福岡8区(直方市、飯塚市など)で麻生元首相と闘っています。

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ピンクの太枠部分が福岡8区です。
2021(衆)では、選挙区で直接活動しているので今回の参院選よりも得票率が高い地域が多いですね。(直方市は今回の方がさらに良かった)
ちなみにこの画像と共に「すごいぞ九州男パワー!」とツイートしたら、本人に見つかってフォローバックされました(笑)

そんな大島九州男氏の活躍もあって福岡県を中心に比例票が伸びたわけですが、もう一つ注目する自治体があります。それは福岡県糸島市です。糸島市は選挙区の候補者、奥田ふみよ氏の地元なので票がかなり伸びたようです。(1,895.380→2,787.609)

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福岡県は東峰村以外の自治体でかなり票が増えました。定数の多い自治体(久留米市)や得票率の高い自治体(直方市)ではれいわ系の地方議員を誕生させられる可能性が高いですね。

福岡県が全国で一番伸びた県なので、ついつい福岡県ばかりに注目してしまいますが、佐賀県と大分県でも票は増えました。

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佐賀県は全自治体で票が増えましたね。ちなみに全自治体で増えたのは滋賀県と佐賀県の2県だけです。惜しい、千葉も揃えば千葉滋賀佐賀が出来t(ry
得票数だけではなく得票率も上がっているので、福岡県と同様、佐賀県も新たな票を発掘することに成功したようです。佐賀県は福岡県の隣県とはいえ選挙区の候補者がいない県だったので、これだけの票を増やし共産よりも票を取ることができたことは本当にすごいことだと思います。

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大分県は日田市と竹田市では票を減らしてしまいましたが、ほとんどの自治体で票を増やすことが出来ました。れいわは元々得票率が高かった県庁所在地などの都市部では票が減少している傾向(全国的に)がありますが、大分市は票を増やすことに成功していますね。


姫島村は変化なし(10→10)のようです。(同じ方かな?)
衆院選のときは14票まで増えましたが、また元に戻ってしまったようです。
島だからなかなか行けないということや、自民と公明がかなり強い地域というのもあって、得票率は全国の自治体で最下位という結果になってしまいました。

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長崎県は九州北部4県で唯一票を減らしてしまいました。票を増やした自治体が多かったものの、県庁所在地の長崎市の減った数が上回ったので、全体では微減という結果になりました。
一方、対馬や壱岐、五島列島(五島市、新上五島町)の島では得票率、得票数が増加しました。沖縄の離島や鹿児島の島嶼部が減少傾向にあったので、これは凄いことだと思います。


2019年と2022年を並べてみると分かりやすいですね。(もっと先にやれ)

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九州北部は全体ではかなり票が増えた地域です。福岡県に限らず定数の多い自治体や得票率の高い自治体はれいわ系の地方議員を誕生させられる可能性があります。

国政についても少し考えてみましょう。
参院選は今回のように3人区の福岡選挙区で擁立のみで1人区の(佐賀、長崎、大分選挙区)はまだ厳しい気がします。
衆院選は九州ブロックで確実に1議席を取るために、いくつかの選挙区で候補者を擁立するという選択もあります。(あまりおすすめの選挙区が思い浮かびませんが)

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一応、今回の参院選の九州全体の票を衆院選に当てはめるとれいわは九州ブロックで1議席獲得できます。しかし衆院選と参院選では得票率が大きく変わるので、今のままだと厳しい気がします。新勢力の参政や息を吹き返した社民も九州ブロックでの1議席を狙っています。また、野党再編で構図が大きく変わる可能性もあります。

今回の参院選では九州の結果が良かったですが、油断は全く出来ません。次の選挙まで3年ある(衆議院の解散がなかったら)ので、この間に地盤を固めて、次に繋げるのが得策です。


今回の九州北部で九州編は完結です。
九州は特に重要な地域なので丁寧に書かせて頂きました。参考になるかは分かりませんが、私が作成したデータや地図の画像は勝手に使っても大丈夫です。(データのミスがあるかもしれません。また使用したことでトラブル等が発生しても私は一切責任を取りません)


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