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私はバイトになぜパチンコ店員を選んだか

なんとか人並みに大学生になり、新歓やら初めての講義やらで4月はあっという間に過ぎ、髪染めにピアスのウェイしかいないもんだと思っていた慶應も以外とそうでもないことがわかってきたところで、いろいろ落ち着いてくると考えなければならないのがバイトである。

親の仕送りはそれほど多くもなく、少なくもないといった感じで、まあ贅沢さえしなければ生活はできそうであり、それほど自分でお金を稼ぐ必要に迫られているというわけではなかったが、生活費をパチンコにつぎ込んでいた私にはある程度の別の収入があった方がよさげではあった。

周りのクラスメートは安定の塾講師/チューター、家庭教師、単発イベントスタッフなどを早々に見つけては、待遇に愚痴をこぼしていた。自分は頭を使うのはもうこりごりだと思ったので、何かを教える職という選択は最初からとるつもりはなく、かといって居酒屋とかの飲食も治安が悪そうだったので避けていたのだった。

田舎の私立の自称進学校ではバイトが許されるわけもなく、自分はここで初めて労働と向き合うことになった。とりあえずアプリを何種類か入れていろいろ見ていたのは覚えている。どこも人手不足でパチ屋の求人なんていろいろあったはずで、どうやってバ先となる店にたどり着いたのかは忘れたが、自分の中で決め手となったところはいくつかあり、

・パチンコならある程度予備知識はある
実際は店員側の視点は打ち手とは全く異なっており、パチンコを打ったことがあるかどうかはホールではほとんど影響しなかった。せいぜいv入賞の重要性がわかっているくらいである(大事だけど)。

・キャンパスまでの乗り換え地点にあり、駅からも近い
通学定期あるなら通勤代は出ないといわれたけどこれって法的にいいのか?持ってないと言った方がよかったのかしらん。駅から近いのは普通に便利であった。

・シフトを入れればパチンコに行くことはなくなるだろう
幸いバイトをさぼってまでパチンコに行くほど私は落ちぶれてはいなかったようで、シフトの日にはちゃんと出勤したし、勿論シフトを入れた分パチンコ屋に行く回数は減った。

・ここで働けば客としてくることはできないだろうしパチンコをやめられるかも
この目論見は半分程度当たり、辞めた今でも私はバ先はもちろん系列店も立ち入ることができない。ちなみに、辞めた従業員が、働いていたホールに客として入ることができないのは私のバ先に限らずどのホールでもある。設定漏洩の可能性を疑われるからである。まあ私くらいのペーペーは釘や設定なんて知るわけもなく、入って打ってもバレさえしなければ問題はないとは思うし入れ替わりとかで顔ももうみんな忘れているだろうけど。今のところは大人しくルールを守っていて、通りすがりにさりげなく覗いたときに覚えている従業員が中で動いているのを見るとちょっとした優越感を覚える(何のだよ)。
半分といったのは、結局パチンコはやめられてないからである。競合店に行くようになっただけ☆

時給は最低で1300円と確かに良かったが、相場があまりピンときていなかったし、シフトもどれほど入れるかわからなかったので、優先順位はそれほど高いものではなかった。しかしこれが後々かなり効いてくることになる。

Q. 入る前にその店で打ったことはあったの?
A. 何度かあった。それほどヘビーに行っていたわけでもなかったけど

とりあえずアプリ経由でエントリーしたところで、何日か後に店舗に来いという電話があり、事務所での面接を経て採用が決まった。役職持ちが「パチンコは打ったりしますか?」と聞いてきたので「無双とシンフォギアを少々」などと答えたら、シートにでかい字で「無双、シンフォギア」と書いていたのを今でも覚えている。

こうして俺は人生初めてのバイトをパチンコ店員として働くことになった。

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