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恋人にただいまという感覚を抱く。

彼氏と付き合って、一年が過ぎた。

一年前の今頃、付き合いたての私達はコロナ禍で会うことすら叶わなかった。私はただ日々のささやかな通話の時間を楽しみにしていた。

"明日の20時から出来る?"

そんなメッセージを送ったり、受け取ったりするたびにドキドキが止まらなかった。LINEの通知に、彼の名前が表示されるだけで心臓は2倍の速さになっていたと思う。


いつしか、緊急事態宣言はもう何度も発令されたり無くなったりする中で、私たちは日常生活の中にゆっくりとお互いを取り込んでいった。

学校や友人との日々の単調な生活に、突如として現れたお互いの存在は非日常だったけれど、いつの間にか当たり前の日常になっていたのだ。


LINEが来たら、返す。電話が来たら、出る。1週間に一度、ないしは2週間に一度は、会う。

繰り返し繰り返し、私たちは同じ時間を過ごして、積み重ねて。お互いが、1番当たり前の存在になっていった。

そんな話を、彼とした。

彼も、その感覚に頷いてくれた。

"ただいま、って言いたくなる感覚が出来たんだよね。"

彼はそう表現した。

ドキドキの恋は、ゆっくりゆっくり大河のような愛に変わっていってるようなのだ。私たちは、相手の1番の理解者になり、帰るところを2人で作ってきてるんだ。

"これが愛なのかもしれないね。"

私は愛という言葉にくすぐったさを覚えながらそう言ってみた。

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