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【第十二話】ハイハットへの疑問の始まり。

録音回数が徐々に増えていく内にひとつの疑問がどんどん大きくなってきた。


ハイハットのマイクは必要なのだろうか。


全てのマイクにハイハットの音は入ってくる。オーバーヘッドはシンバルの音を録音する為、同じ金物系であるハイハットは存分に鳴らす事が出来るじゃないか。これにハイハット用のマイクの音を足すとハイハットがウルサイ・・・結果、良きバランスの所まで下げていくと・・・ミュート。このハイハットのトラック要らないじゃないか。


凄く細かなハイハットワークがあったり強調すべき楽曲でない限りハイハットにマイクを立てる事を筆者はやめた。


この頃から何処かでウワサを聞いたであろうバンドから筆者へと『レコーディング依頼』の連絡が来る様になった。大変恐縮するばかりだった。知識も技術も機材も一流とは程遠く、スタートラインにすら立てていない筆者に録音を頼むのか・・・現状全てを説明しても依頼撤回は無かった。これは確実に『お金』の問題なのだろうと思う。


やはりスタジオでのレコーディングは金額がかさむ。さらにその後プレスやジャケット等の印刷物の費用を考えるとある程度の金額になる(それでもひと昔と比べれば今は恐ろしい程低価格になっているが)。


それに比べて筆者は無料。当然金など貰う気など無い・・・むしろ勉強させてくれて有難うとさえ思っていた。レコーディング代がかからない事はバンドマンからすればとても助かるのである。基本貧乏さ。


ウィンウィンである。バンドは金がかからず筆者はスキルアップの為の研究が出来る。こうしてレコーディング回数が徐々に増える様になっていた・・・が、回数がある程度増えてきた時にオーディオインターフェースが壊れた。


オーディオインターフェースが無い事には何も始める事が出来ない。既に他バンドの録音が後日決定している。筆者は新機を買わざるを得ない状況となった。


ではどのオーディオインターフェースを買うべきなのか。

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