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ただのひとりごと

君は趣味をたくさん持っている。

時間が足りないと、いつも君は大忙し。

部屋にはいろんな道具が揃っている。
見たことあるものからないものまで。

君は夢をたくさん持っている。

どこまでが本当でどこまでが冗談なのか。
きっとどこまでも本当なのだろう。

寝ていても起きていても。
いつだって君は夢見ている。

君は好きなものがたくさんある。

世の中に嫌いなものなどないくらいに。

物も、そして人も。
君は誰にだって好意を抱いている。
君は誰からも好かれている。

俺もその内のひとり。

俺は君が羨ましい。

そんなに趣味を持っていて。
そんなに夢を持っていて。
そんなに好きなものがあって。

俺にはどれもひとつしかないから。

それは、君。

趣味は君。
夢は君。
好きなものは君。

ひとつしかないんだ。

誰にも言えない、俺のひとりごと。
君にも言えない、ただのひとりごと。

君にも誰にも言うつもりはないけれど、「怖い」なんて言わないでおくれ。
「気持ち悪い」なんて言わないでおくれ。

そうじゃないんだ。

俺は君とは違う生き物。

ただのつまらない男なんだ。
ただ、君が羨ましいだけなんだ。

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