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ネガティブクレームに対するCAFC判決 - その後

以前、Negative Limitationのサポート要件に関するNovatis Pharm. v. Accord HealthcareのCAFC判決について下記記事を書かせていただきました。

ところが、上記判決に対する再審理(Rehearing)の申請が受理され、CAFCにおいて再度審理が行われた結果、先の判決が覆り、結局ネガティブクレームに対するサポート要件を具備しない、という結論になりました。
判決文はこちら

本再審理では、いわゆる除く特徴(Negative Limitation)のサポート要件を満たすには、明細書において、その特徴を除外することが発明者の意図によるものであることを示す何らかの記載が必要である(there generally must be something in the specification that conveys to a skilled artisan that the inventor intended the exclusion)、との基準を示しています。
また、そのような記載の例としてCAFCは、除外する特徴の欠点や代替案に関する議論を挙げています。

前回の判決結果がここまできれいに覆されることとなった経緯がちょっと分からないところもありますが、結果として、Negative Limitationに対するサポート要件の判断は厳しめに審査・審理されることになりそうです。

なお、1回目の判決はMoore判事、Linn判事(チーフ判示)、O'Malley判事によってされましたが、今回はO'Malley判事に代わってHughes判事が入り、チーフ判示も、前回反対意見を出したMoore判事が務めています。
ひょっとしたら、判事の構成の違いも結論に影響を及ぼしたのかも知れません。

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