水色
オレンジ、ピンク、水色がとけているような空を眺めて、それらしい事をつぶやくあさ。街はまだ夜との境界で空気はとろんとたゆんでいる気がする。目を瞑れば、私も朝と夜の境界に溶けいることが出来る。なんだかくすぐったくて自然と口元が緩んだ。そんな日々を繰り返して、みんな死ぬ。「死ぬ。」口パクでそう呟いてみると、喉の奥から苦い何かが込み上げてきて慌てて飲み込む。思わず周りを見渡す。良かった、バレてない。
あどけない瞳の連続にくらくらする春。
頭がズキズキとするのはきっと私の中のキラキラがとがってしまっているだけ、そう信じておこう。
春、買って貰えなかった水色のランドセルを背負い空を飛ぶ。小一まで自分が天使だと思っていた。この家族を幸せにすれば私は空の上から迎えが来ると疑わなかった。
青、やっぱり水色。とけていく、私もあなたも僕も君もあたしもあんたもやっぱり
水色。
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