あの人の手は白い。
とても、とても。
男の人の手。
骨ばった手。
力を入れるとぐっと角ができる。
男の人の手。
透き通って見えなくなって、いつの間にか私の中から消えてなくなってしまいそうな。
日焼けをしていない白い肌が眩しい。
そういえば、私の手があの人の真っ白な手に一度だけ触れた。
夏。
「細い指。」
と笑うあの人の白い指が絡まった日。
サラリと触れ合う。
陶器のように白くて美しい。
あの時、あの指が、私の指と指に触れた。
官能。
秋明菊のように白い白い君へ。
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