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日本ではエッチなマッサージをする職業だと思う人もまだまだいるけれどオーストラリアでは自然療法と認められているもの、なーんだ?

答え:アロマセラピスト


2019年にオーストラリア(ゴールドコースト)へ留学し、国家資格であるクリニカルアロマセラピストの資格を取得してきた。
日本ではアロマセラピストの国家資格はないからだ。
日本では法人としてアロマセラピストの資格は発行してもらえる、
私も学び、持っている。

そしていつも疑問だった。

取得した→資格を持ってる→役立てる場所は?

そこ。
そこなんだよ。
そもそもアロマセラピストっていう仕事、アロマセラピーっていうこと
この日本での認知度って?

笑えたのが、私が2019年に六本木ヒルズの某店舗で担当アロマセラピストとして働いていた頃。(その店舗のOEMやコンサルテーションをしてオリジナルブレンドオイルをお客様へ提供したり、精油の販売をしていた。)
店舗は高級で品質が良いタオルやワンマイルウェアと扱うところで、
ラクジュアリーな雰囲気を醸し出す場所。
お客様もヒルズで働いていらっしゃる方や芸能人もたくさんご来店される。
その、ヒルズで働いていらっしゃる某企業の方(みんな首からヒモに企業と本名がついたタグをぶらさげている)の口からふつーに笑いながら出てきた発言。

「アロマセラピストって、エッチなマッサージをする人のことじゃないよね?」
衝撃だった。

あぁ…日本って、まだそういう土地かあ。
それくらいの認知度なんだよなあ。

その衝撃発言を会議の時に社長へ伝えたことがある。
社長は顔色も変えずに言った。
「そう。そうなのよ。ゆきさん。日本ってね、まだそんな認識レベルなのよ」
社長はアロマセラピストでもあったし、医学界にも精通していたため
そんなこと何十年も前から体験済みだ。
そのためにずっと孤軍奮闘しているといっても過言ではない。

話は戻る。

私がオーストラリアで国家資格と認められている国際免許である
アロマセラピストの資格を取得したかった理由は
そんな体験も少しずつ重ねていたからだ。きっと。

オーストラリア。
自然療法、オーガニック大国。
歴史は古い。
アボリジニの方々の歴史までさかのぼる。
この方々の植物、自然に対する姿勢や知識はひれ伏すほど。

そして現代でもその知識は受け継がれ、オーストラリア人に根づいている。

現地で資格と取るために、実際にクリニックで働いた。
現地の方がやってきて、アロマセラピーマッサージを学ぶ学生として
施術を行うのだ。

お迎えから、コンサルテーション、施術、お見送りまで行う。

毎日指名してきてくれた時や、セラピストとしての仕事がどうだったかの
判定をお客様から毎回頂くのだが、その手ごたえがエクセレントだったときは涙ものだった。

なにしろ、現地では何かあったら病院へいく、という考えはない。
薬や医者はまた違うアプローチと心得ている。

たとえば、ちょっと喉が痛い、頭痛だ…腰が…膝が…肩回りがいたい、
あるいは、失恋した…大切な人が亡くなった…など
身体と心の具合に合わせて自らを癒し手当する術を知っている。

失恋してきてくれた女性。
お話しをお聞きする。
心の痛みは万国共通だ。
心に絆創膏、なんて言っている場合ではない。
脳は、失恋とお金を失う悲しみは同じくらいの衝撃なんですってよ。

手当ての意味を知っている、と思った。
人の手から伝わるもの、自然の生きる力をお借りして合わせて
自らに施すもの。それを率先して行う。
その影響力と治癒力をよくご存じなのだと知った。

オーストラリアでは医者とセラピストと理学療法士と三位一体で
患者さんを快方へすすめる。ここでは当たり前のことだった。

手術となった場合、手術する前、後、その後までを見通す。
きっと手術した箇所だけではない回復も必要だということ、
抱えた方の立場に立った最善の方法だ。

それが自然なことだとしたら、アロマセラピストのところへ
足を運ぶのも納得だ。
心と身体をケアすることの重要性を熟知してきているのだから。

ある日、スコールのような雨が降る日だった。
屋根はトタンのようなものでできていたのだろうか。
打ち付ける雨の音が激しかったが、私は雨の音、どちらかといえば好きだ。
落ち着く。

施術していると、ふとそのお客様が言った。
「海にいるみたいだねぇ」
雨の音と施術するテンポが波にたゆたうようだ、と言っていた。
うん。私も思っていた。
この心地よい雨の音と施術するリズムが、わたしまでリラックスして
眠くなりそうなそんな気持ちだな、と。
とても嬉しかったし、何より
ああ…これだ。と思った。

この国家資格の授業を行う先生は、よく施術は二人でダンスするように、と
表現していた。(先生、私の表現が違っていたらごめんなさい)
お互いの息がぴったり合って、相手が力を抜いてこちらに身体を預けられないと、うまくはいかない、と。

そう。力を抜くって難しいもんね。
相手に気を許していないと筋肉は力をいれる。
心を預けようっていう気にはならない。
触られたくない。
そりゃあそうだよなぁ。
この美容師さんに髪の毛触られたくない、というのも一緒だよなあ。

現地オーストラリアでアロマセラピストとして体験してきたことは
私のアロマセラピストとしての指針になった。

オーストラリアで、もちろんケミカルなものもたくさんあるし、
美容整形も流行っている地区もたくさんある。
あ、もちろんエッチなマッサージををするお店もある。
「アロママッサージ」と看板を掲げ、某国の方で出店されている方が多いそうで、現地のアロマセラピストたちから苦情がでていると、オーストラリアで働いているアロマセラピストの友人から聞いた。
そのせいでアロマセラピーが保険で対応できなくるという事態に発展。
アロマセラピー界の重鎮たちが立ち上がり、動いていると言っていたが…
困るのは結局、アロマセラピーを必要としている人とセラピストだ。

健康とはいったいなんだ?
ただ身体の状態が良いことだけのことなのか?
身体の状態が良いって見えている部分だけのことなのか?
身体の状態をよくするのは薬だけで治るのか?
薬って何からできてるんだ?
自分を大切にするってなんだ?
品質の良い食事を摂取さえしていれば身体の健康は維持できるのか?
予防ってなんだ?
注射をしていれば予防になるのか?
科学、化学ってなんだ?
じゃあ化学(科学)が発達していない時代は健康でいられなかったのか?

このセラピストの仕事に携わるようになってから
身体の細胞のこと、仕組み、脳、神経、植物の持つ成分だけではなく
生き方や哲学など学ぶところはたくさんあり、
常に選択であふれる。

学ぶそして体験することでしか私は落とし込めないけれど
それらがお客様に還元できるのであれば幸いだ。

今日も読んでくれてありがとう。






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