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不文律×月下香

初恋はいつですか?
ファーストキスは?

「無難に、中学生くらいのときですかね。」

あの人と...声にならない声で最後に添えたのは自分でも何故かは分からない。
理由をつけるならば、相手が同性だった事を知られて何か言われるのが億劫だった事にしておこう。

同性愛者や性別の壁を越えた恋愛の形があると言う知識は持っていたし、興味もあったが、大人たちの無言の圧力と教育によって、自分自身は異性愛者だと思って生きてきたし、縁のないことだと勝手に決めつけて生きていた。

でも、異性以外と恋をするのは罪なことがいかにつまらない一部の人間の闇だと言うことも知っていた。

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近年、LGBTQが話題になるっていく中で、職業作家の意見はどう考えていますか?と問われて自分がいかに歪んだ人間かを再認識させられた気がしてあの人に密かに懺悔した。
と同時に高揚感で満ち溢れて、蕩けた顔を晒してしまう所だった。

正直LGBTQが何なのかなんて未だに分からないし拒否するつもりもないし...何故そんなことに固執するのかはっきり言って興味が湧かない。

「性別がどうこうよりも、もっと他の理由が恋への気持ちを高めると思っています。自論ですけどね?」

他の理由?と記者は続けたそうだったが、教える義理もないので、指に手をかざしお決まりのポーズを決めておいた。

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嘘と秘密が私を造り出している。

そうあの人と私の関係が始まってしまったあの日から。

待って、友達だよ?こんなこと好きな人としかしちゃいけないんでしょ?
1度落ち着いてよ。
プリントを見つめていたはずだったのに、気がつけば天井と余裕のない顔を見上げていた。
組み敷いてきたあの人に向かって私は最後のブレーキのつもりで声をかけたが
大好きな声で

「今更、love?like?の意味で聞いてるの?知らないとは言わせない」

仕留められただけだった。

俗に言う性行為は異性でするものと勝手に思い込んでいた自分が恥ずかしかった。同性だからと言って踏み込んでは行けないところまで近ずき過ぎていた。
あの人から向けられる視線に気づかないほど馬鹿ではなかったのに何でこんなことになるまで放って置いてしまったのだろう。
心の何処かではこうなることが目に見えていたじゃない。

そうね。悪いのはあの人じゃないわ。あぁ...進むことも、後も戻りすることもどちらも許してくれないのね。蛇に捕まったのが運の尽きだったのね。

抵抗する気にもなれないのをいい事に、慣れた手つきで腰を撫で、脚の間に膝を入れてきた。
手は頭のを上で握られ、降やむことの無い耳や首や唇へのキス。

独占欲と支配欲を満たすのがのが好きなタイプなんだなとか判断を下す冷静な自分が頭にいることが汚らわしいと同時に、初めての失い方ググッておけば良かったとか余計なことで頭がいっぱいだった。

余裕な振りがしたかったのだろうか。
いや、正直顔が見れなかったのだ。
向けられる好意からも厚意からも行為からも逃げ回りすぎて。

釣り合いたかっただけなのかもしれない。

戸惑うかなとか思っていたけれど、1度目ではないようなのが癪だなとか呑気なことを考えつつ、気持ち良さが勝っていた自分に、体って案外素直なのねとか関心してたけれど、
Cherryな自分にとって全てが初めての経験だから仕方ないのかもしれないが自分だけが初めてを奪われて少しだけ嫉妬した。

しかし何よりも、行為の感官に酔いしれて声が漏れ出ていたことよりこの関係を誰にも話せないことへ悦びが溢れ出て仕方なかった。
狂う才能が目覚めてしまったようだった。

待ち望んでいたことを見抜かれていたのかも...

あの人が触る全ての感官が絶頂を造り出した。

だから自分は応える様にできる限り、はしたなく鳴いた。

あっ。だめっ。
んっんん
もっと。

煽って煽って煽り倒した。
あの人を煽るためだけでなく、自らを煽り、嘘を本物に変えるつもりで。

そう、嘘と秘密の関係は媚薬そのものなのだから。

どうせあの人は中学生の間しか興味を持ってくれないのだろうから。

在学中は所狭しで、獣の様にお互いだけを求めて何度も何度も体を重ねた。

その度に何度も思い知った、同じ匂いがする。

超えては行けない
性の壁
年齢の壁
教師と生徒の壁

全てがお互いにとってただの興奮材料なのだと。

-期限付きの恋-

あの人の性別と自分の性別が何なのは誰も知らない。

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