見出し画像

台湾移住の諸々の手続きの話。

2023年12月、台湾に移住しました。仕事を辞め家も引き払い、文字通りの片道切符です。今回は渡航前後の諸々の手続きについてまとめます。
ちなみに私は「外國人專業人才」枠で現地採用の仕事を得てからの移住です。配偶者や子供などはいません。駐在派遣の方や留学生とは手続き内容や必要書類が異なりますのでご注意ください。
コロナ期間中にビザや居留証申請に変更点があったのですが、日本語で情報が全くなかったのでかかった時間ややったことを参考に書き記しておきます。

大きな変更点は主に2つです。
①外國人專業人才は居住ビザ不要で入国可能になったこと
②居留証申請がオンラインでできるようになったこと

これらを中心に渡航前後の手続きをまとめました。


NEW!外國人專業人才・特定専業人材はノービザ入国可能に

一般的には日本で居留ビザを取得し、台湾渡航後15日以内に居留証申請を行う必要がありますが、以下の移民署の通達によると外國人專業人才はノービザで入国することができます。

外國專業人才或外國特定專業人才以免簽證方式方式或持停留簽證入國,經許可或依攬才專法第七條規定免經許可在我國從事專業工作者。
ーーー 外国人専門人材または外国特定専門人材は、ビザなしまたは停留ビザで入国し、許可を得てまたは特別人材確保法第 7 条に従い許可を得ること不要で、我が国で専門的な仕事に従事します。

https://www.immigration.gov.tw/5385/7244/7250/7317/居留/181946/

ただし、私は自分がこれに該当すると知らず普通に居留ビザを申請してしまっていたので実際にこの方法で入国していないのですが,もしこれが本当だとすると居留ビザ申請の約1週間が短縮されるので、渡航までの準備期間が短縮されます。さらに居留証申請の15日ルールが適応されなくなる可能性があるので、家探しなど余裕を持ってできるのが良いですね。

居留ビザ不要であればビザ申請費用浮くじゃん!とも思ったのですが、居留証申請時にノービザ入国の場合2,200元追加でかかるとあるので、スーパー円安の今は居留ビザのほうがお得です。
ただしこのノービザ入国について東京の駐日経済文化代表処に電話で問い合わせたところわからないと言われたので、変わったばかりの制度なのかもしれません。

NEW!外國人專業人才と家族の居留証申請がオンラインで可能に

2022年7月から、外國人專業人才はオンラインで居留証申請できるようになりました!これは嬉しい!!!

居留証申請に必要な書類に会社が発行する「在職証明書」があるのですが、基本入社後にしか発行してもらえず、でも移民署の窓口は平日のみ…入社したばかりで仕事を抜けるのは少し気まずいなと思っていたのでこれはとても嬉しい新制度です!!!
申請フォームは下のリンクから。ちなみに学生起業家の居留証申請も別ページからオンラインで申請できるようです。

具体的な申請方法は、別途noteでまとめました。日本語の説明もなければ中国語のマニュアルも不親切で何度か行き詰まってしまったのでこちらもぜひ。


渡航準備:日本①ビザ申請

以下は一般的な渡航準備の内容です。すでに多くの先人たちがブログなど書いてくださっているので大事なところだけかいつまんで紹介します。

1.労働許可証の取得(約10日間)

内定承諾後入社日が決まると、まず労働許可証を取得します。この労働許可証を以て居留ビザなどを申請することになります。
この手続きは基本会社が行うので、求められた書類を会社に提出します。私の場合全てデータ送付で完結しました。渡航まで時間がない場合もあるので上の2つの書類は内定前から早めに取り寄せておくとベターです。
・学歴証明書または卒業証書のコピー(英語または中国語)
・日本の会社の在職証明書(英語または中国語・2年以上の在籍期間があるとわかるもの)
・パスポートの写真のページのコピー
・証明写真1枚(規格はこちら。細やかな制限があるので私はカメラのキタムラで撮ってもらいました。安くて早くて正確で地味におすすめです)

申請から発行までは10日間でしたが、私が会社に書類を全て提出してからは2週間ちょっとかかっています。会社側で揃える書類もいくつかあるのでそちらに時間がかかったのかなと想像しています。

2.居留ビザの申請(7日間)

無事労働許可証が発行されたら次は居留ビザの申請です。先述の通り外国人専業人材はノービザ入国できるようなのですが、私はそれを知らずに居留ビザを申請しました。

現住所の管轄の台北駐日経済文化代表処に書類を一式提出します。私の場合は「雇用」に該当するので下記の書類を提出しました。
ビザ申請書は現地で記入しようと思っていたのですが,今は完全オンラインになっていて、現地でスマホから入力してコンビニで印刷するという無駄な時間を過ごしてしまいました。こちらのフォームから事前に入力してコピー持参がおすすめです。
1.パスポートのコピーと原本
2.ビザ申請書
3.証明写真2枚(労働許可証申請と同じ規格です)
4.労働許可証(コピー)
5.身分証(免許証など)の両面コピー
6.申請費用8,900円

なお、月から木は先着順、金曜日は事前予約制です。私は金曜日に行きましたが空いていてスムーズでよかったです。予約はすぐに埋まりますが前日の夜の直前キャンセル狙いがおすすめです。先着の日は結構混むそうです。
申請の7日後にビザが発行されます。郵送対応もしているようですが私は現地に受け取りに行きました。受け取りは予約不要で窓口に直接行くとすぐに渡してもらえます。

渡航準備:日本②行政/お金周りの手続き

1.転出届(渡航2週間前から)

渡航日の2週間前から提出できます。年末年始あたりに出国予定の場合、12月中の転出を強くお勧めします。1月の転出になると、数日しか日本にいないにも関わらず1年間分の住民税を全て支払う必要があるためです。ちょっとした落とし穴ですこれ・・・
そして同時にマイナンバーカードの返還手続きもします。返還といいつつカードは返却されて次に帰国した時まで保管するように言われます。返還とは?

2.年金の在外任意加入手続き(退職日後)

転出届と同時に市役所等の年金窓口で在外任意加入の手続きをします。私は迷いましたがiDeCoの継続に加入が条件だったため手続きをしました。前の会社に在籍中には手続きはできません。また退職直後だと退職の記録が反映されていない場合があるので、退職日のわかる退職証明書や健康保険資格喪失証明書を会社からもらうようにしましょう。
また、私は最初区役所に窓口があることを知らずに年金事務所に行ったのですが、年金事務所では未来日での切り替えができないと言われ区役所に行き直しました。本当に面倒くさかった。

3.つみたてNISAの解約とiDeCoの在外任意加入への変更手続き

海外に居住することになった場合のつみたてNISA口座の扱いは証券会社により異なります。5年以内であれば運用はできないものの保持し続けることができる場合もありますが、私は思い切って解約しました。
一方iDeCoは、年金の在外任意加入をしていれば持てる銘柄の制限なく口座を継続することができたので在外任意加入への変更手続きをしました。(これはiDeCoはNISAとは別の年金系の法律で定義されているためだそうです)

4.免許更新

台湾では日本の免許証があれば、国際免許証の取得なしに台湾での免許証も発行してもらえるようです。期限が近ければ更新してから渡航しましょう。

渡航準備:日本③家や身の回り関係

1.自宅の解約通知(基本的に渡航1ヶ月前までに)

通常1ヶ月前ですが契約によっては2ヶ月前通知の場合もあります。早めに契約書を確認してロスなく解約できるようにしましょう。

2.不用品や粗大ゴミの処分や送る荷物の仕分けなど

不用品でまだ使えるものは,メルカリやジモティ、キャロットなどで売り捌きました(笑)10万円くらいにはなったので、早いうちからコツコツ出品しておくとちょっとした現金になります。移住は何かとお金が出ていきますからね。

3.水道や電気、ガスの解約(渡航1週間前)

通常の引越しと同じように渡航の1週間くらい前に手続きすればOKです。

4.郵便の転送届(渡航1週間前)

こちらも通常の引越しと同じように1週間前くらいに手続きすればOKです。

5.スマホの解約や乗り換え

日本での電話番号を維持するかの判断は人によると思いますが、思わぬところで電話番号認証が必要なケースもあるので私はとりあえず維持費0円のPovoに乗り換えました。乗り換え申込全てアプリで完結できてとても簡単でした。
デュアルシム対応のスマホだと台湾の番号と日本の番号両方ひとつのスマホで管理できるのでとても便利ですね。

6.飛行機や家が決まるまでのホテルなどの予約

労働許可証が下りないと渡航日が確定できないもどかしさもあったものの、渡航日が決まらないと部屋の解約なども進まないので、仮の日程で日程変更可能な航空券を購入しました。
仮のホテルの日数も悩ましいですが,私は1週間毎に分けて2か所のAirbnbを予約し、後半はギリギリまでキャンセル無料の場所にしました。年末年始を挟んでどこも高かったのも理由ですが、引越しまでの期間が読めなかったのもあります。結局渡航から2日で家を決め、5日で引っ越ししましたので2週間分も確保する必要はありませんでした。

渡航準備:台湾⓪空港でやること

1.現金の確保

日本円の両替もしくはカードの海外キャッシングで現金を手に入れます。台北といえども街中では日本のクレジットカードを使えないお店も意外と多く、ほとんど現金を使っています。家の初期費用(敷金2ヶ月+初月の賃料+仲介手数料半月)+1ヶ月分の生活費くらいあると安心だと思います。

2.旅行者用SIMカードの購入

携帯の契約には居留証が必要になりますが,居留証が届くまで渡航から3週間ほどかかります。日本の携帯の海外ローミングは高いので旅行者用のプリペイドSIMカードを買いまいした。中華電信で4G使い放題30日で1,000元でした。結果的に正解だったと思います。通販や家の契約などいろんなタイミングで電話番号を聞かれることがあったので、あとで番号変わるとしても現地の番号があるとスムーズです。

渡航準備:台湾①家探し(渡航後5日間)

家探しについてはこちらで詳しくまとめているので見てください。居留証の申請に賃貸借契約書が必要なため15日以内に決める必要があります。

渡航準備:台湾②健康診断

入社時に健康診断が必要と言われたので受けました。「勞工一般體檢」というもので、内容はアラサー基準では日本とほぼ変わりません。唯一心電図がなかったかな?くらい。バリウムや乳がん検診などもありません。
私は念の為外国人にも対応している台安医院にしました。

予約不要で平日の9:30ー10:30に健診センターの窓口にいって「勞工一般體檢」を受けたいと伝えればあとは指示に従うだけです。簡単な日本語は通じました。30分程度で終わり、検査費は1,655元。結果は2週間後に自宅に郵送してくれます。検査の項目や受付時間など詳しくはここをクリックして参照ください。

▼台安医院以外の外国人対応している全国の病院リスト

渡航準備:台湾③居留証申請(入社から10日間)

前述の通りオンラインで申請しました。詳しくはこちら。

申請に必要な在職証明書を入社日にもらい、その日の夜に申請し10日後に居留証を受け取りました。
早ければ1週間ほどで手に入ります。

渡航準備:台湾④身の回りの契約

以下は居留証などが必要な手続きです。

1.銀行口座の開設
当初大手の中国信託銀行に口座を作りに行ったところ、開設目的を「給与の受け取り用」と答えたためか、勤務先と取引がないからと口座を作れませんでした。(正確には口座作れないのか、手数料かかるからおすすめしないと言われたのかちょっと自信ないので、絶対御行がいい!と言ったら作れたのかもですが。)
結局会社の人に教えてもらった別の銀行で作りました。
口座開設にはパスポートと居留証、名刺が必要でした。一部ブログなどでは日本のマイナンバーカードが必要と書いているものもありましたが、私の場合は不要でした。

2.携帯電話の契約
中華電信で契約しました。パスポートと居留証、現金2,900元が必要です。
2,900元は外国人だけが必要なデポジットで解約時に返金されます。
私は銀行口座作る前に行ったので月々の支払いどうするのかと思いましたが、毎月振込用紙が家に届く方式にしてくれました。(それもそれで面倒なので、慣れたらそのうち変更しないと…)
台湾の携帯プランは1-2年の縛りがあるのですが自動更新はなく、プラン切れるごとにショップやwebで手続きが必要とのこと。だから各社盛んに乗り換え割引してるわけですね。

3.日本の外務省へ在留届の提出
住所と電話番号が確定したら、もしもの時のために日本の外務省へ在留届提出しておきましょう。インターネットから5分程度で終わります。

以上渡航前から渡航後の台湾移住の手続きでした。
みなさまもよき移住ライフを💫

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?