日記 チキチキガス欠ドライブ
生まれつきの怠惰と先延ばし癖のせいか、よく小さいピンチに見舞われる。
帰り道、ガソリンランプの最後の一個が消えた。
え、マジか。大丈夫なのか、これ。
最寄りのガソリンスタンドまで、少なくとも10分はかかる。
おかしいな、わたしの計算では、今日一日は持つ予定だったんだけど。
不安だが、もう行くしかない。こんな山奥でストップしても、誰も助けてくれない。
ガソリンをムダに消費しないように、暖房をとめる。
カーステレオで音楽を流していたが、なんとなくガソリンを食いそうだったので、こちらも消す。
無音の車内で、わたしにできることは、ひたすら祈ることのみ。
頼む頼む頼む。どうか最寄りのガソスタまで無事に辿りつきますように。
できるだけ早く目的地に行きたい。
でも、スピードを出すということは、ガソリンを使うということでは、と思うと、無闇にスピードも出せない。
ヒヤヒヤしながら、夜道を運転する。
いつもの道が、やたらと遠く感じる。
てか、これさあ、ガス欠したらどうなるの。
急に、ガコンって止まったりするのかしら。
それはいいけど、後ろから追突とかされたら、最悪だよね。
止まったとしたら、どうしたらいいんだろう。
JAFとか呼ぶの?知らんけどさ。
ガソリンって、出前で届けてもらえたりするのかな。
車ちゃん、ごめんよ。もう少しだから、頑張ってくれ。着いたら、たらふくガソリン食わせてやるからな。
車のごきげんをとりつつ、やっと最寄りのガソスタが見えて来た。
良かった。なんとか持ちましたよ。
給油中、「ガソリンは、メーターが半分くらいになったら、こまめに給油しましょう!」というコマーシャルが流れてくる。
ケンカ売ってんのか?と言いたいところだが、今回に関しては、完全にコマーシャルが正しいので、ぐうの音もでない。
しかし、今回の経験で、ランプが消えても10分くらいは走行するという間違った成功体験を得てしまったので、怠惰が加速する可能性も否定できないな。困った女だよ、まったく。
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