日記 星の名前を知らない
帰り道、オリオン座を見つける。オリオン座をみると母方の祖母のことを思い出す。
祖母の家は周りを木に囲まれていて、背の高い木の間から、星がよく見えた。
祖母の家の軒下で、並んで星を眺めた光景がよみがえる。
記憶の中の祖母は、地面に積もった雪に木の棒でオリオン座の形を描いて、「あこにあるのがオリオン座だよ」と、小さかったわたしに教えてくれた。
北斗七星だったか、北極星だったか、他にもいくつか教えてくれた気がするけど、そちらは忘れてしまった。
リボンの形のオリオン座と、並んで星を探したことだけ大事に覚えたまま、わたしは大人になった。
星の数ほど星はあるけど、他の星座たちの名前をわたしは知らない。
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