若気の至りの弾丸女子旅
大学生の頃、仲良し3人組でUSJに行ったことがある。今なら絶対ムリだけど、東京から大阪まで、日帰り弾丸旅行。
わたしと友人のゆりちゃんは、ライブからの夜行バスという、わりとむちゃくちゃな行程だった。
なぜ日帰りになったかというと、シンプルに金銭的な問題。夏休み中で、ホテルはどこも高い。
わたしたちが旅行を決めたのもギリギリになってからだったので、手頃な値段のホテルはすでに埋まっていた。
「夜行バスで行って、その日の夜のバスで帰ればいいんじゃない?」と誰かが提案して、あとの二人も同意した。
当日、ライブ終わりの余韻に浸る間もなく、わたしたちは合流した。楽しみすぎて、3人ともどことなくテンションが高い。
バスに乗っても、ひそひそとおしゃべりをしてしまい「お静かに」と注意をされてしまった。
うとうとして目が覚めたら、大阪だった。
しかし、早朝だったため、まだUSJは開場していない。ちょっとした公園か広場のような場所を見つけ、そこでおしゃべりしながら時間をつぶすことにした。
天気が良くって、他愛ないおしゃべりをしたり、砂にお絵かきしてしりとりしたり、そんなことをしていたら、あっという間に開場の時間になった。
肝心のUSJはというと、残念ながらほとんど覚えていない。ライブと移動の疲れで、わたしは眠くてたまらなくなり、ベンチで仮眠をとっていた記憶がおぼろげに残っているくらいだ。
ほんと、何しに行ったのかわからない。
帰りのバスの乗り場がわからなくて、3人であたふたしたこととか、そんなことばかり思い出す。
確か、電話で道案内してもらって、夜の大阪をバタバタ走っていた気がする。
若かったなー、と思う。今なら宿も予約するし、バスじゃなくて新幹線でびゅーんと行けるだろう。そもそも、USJで遊ぶより、カフェでおしゃべりする方が楽しいお年頃になってしまった。
けど、わたしはあの弾丸旅も結構楽しかったなあ、と思う。多分だけど、友だちと遠くに出かけるっていう、そのこと自体が楽しかったんだろうな。行き先は関係なくてさ。
今度彼女たちに会ったら、あの時の思い出話をするのもいいかもしれない。
久しぶりにお茶しようって連絡してみようかな。
書く部のお題をお借りしています。
「あの旅を忘れない」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?