秒針のついていない時計を買った 秒針がついていたらいいのになあ、と思いながら買った そういうことがままある 昼ごはん買うときにどうしても、二番目に食べたいものを買ってしまうんだよな、と人が話すのを聞いたことがある 今でもたまに思い出しては意図を考察する そういうことがままある
先生は何も心配していない ほんとうの意味でわたしを心配する人間はいない わたしは1日が、一週間が何度も何度も繰り返されるのが、恐怖でならない 恐怖でならない。
(業務スーパーに5袋で売られている馬鹿みたいに辛い)レトルトカレーライスを食べたあと、不満足感に襲われたので、冷凍たこやきをチンした。なんか数が足りなかったら嫌なので5個チンした。チンしたらチンしたで、食べたら食べたで、別にこれではなかったし、違う。違う、違うのに、何やってるんだろう私は、と思っている。
部屋の明かりは人の頭より大きくて丸い形をしている たんぽぽの綿毛のような白い毛がほわほわと生えていて、それはとても軽そうに見える 天井と棒一本で繋がっているが、じきに離れて飛んでいった
火星にとばされて地球時間にして20日が経過した。わたしは依然、居住ポッドにいた。一人で住むのに最小限で最適な、仮設の居住ポッド。 同じタイミングで同じようにとばされ、同じようにこの仮設ポッドの中で過ごしている人もいるはずだ。ポッド内にはエネルギー自動配給ロボットも、医療ロボットも積んである。中にいる人間は死ぬはずはない。ないのだが、長い間ずっとここに一人いると、周りの人が生きてるのだか死んでるのだか、全然わからなくなる。
バスから見た アーケードの上からY字に生える奇妙な形の支柱に植物の絵が描いてある 支柱に沿って生えているかのような蔦が描いてある わたしはそれが本当なのかどうか わからなくなる
ベッドのへりに寝ころんでいる。体を横に向けている。部屋を眺めている。ベッドのすぐそばには椅子が置いてある。ベッドから外へ投げ出した両足を椅子の上に預けている。部屋を眺めている。冬から吊りっぱなしでクリーニングにも出せずじまいのコートを眺めている。夏が終わる。まとめられることなく地をさまざまに這う電気コードを眺めている。いつかつまずくと思う。洗濯物が干してある。生活を眺めている。いつかつまずく。 私はシャッターを切った。奥歯の横に仕込んだ(サイボーグ009の加速スイッチを真似
土砂降りの中を歩いてびっちゃびちゃになって、帰って即服を脱いでまるごと洗濯機にほうりこんで洗って干した、スマートだった
朝、駅のコンコースには急ぐ人がいます。 人の波に乗らず、独自のテンポで我が先に我が先にと流れを縫い、早歩きしている人。 あの人は、単に先を急ぎたいわけではありません。ただ追われているだけです。 それは毎朝一定数いて、割合にして1.7%程度だとされています。2015年の時点では1.3%と発表されていましたが、昨年末に更新されました。ここ数年で、上昇率はぐっと上がっています。 灰色の水です。 彼らは灰色の水に追われています。連れ戻されるとまた、透明で巨大なケースになみな
シャチの体重は、 およそ2トン。
眠りはひとっとび
メインステージに向かいN氏と歩いている。目当ては大トリの銀杏BOYZである。N氏は銀杏BOYZの大ファンだった。 「大ファンやけど見るの初めてなんですか。」 「そやねん。」 「それはやばいですね。」 次に何か言われたが、三回聞き直しても聞き取れず、というか聞き取れても何の話かまったく理解できず困った。 何ラリーかしてやっと、ボーカルの話をされたのだとわかった。ボーカルの名前が現実と異なっていたのでわからない訳だ。 歩きながら空を見ると、雲はあちこちに散らばっているが、
数えればきりがないほどに、歩いてると唐突にアスファルトに突っ伏して寝そべりたい衝動に駆られる、日々そう、だが、あれは何故なんだろう。 人間にはよくあることなんだろう。
人体は消耗品
マンボウがミズクラゲを補食する動画につられて、マンボウが水上ジャンプする動画も見た(志摩マリンランド)。 マンボウが水槽をめちゃくちゃ速く泳いで助走をつけ水面へ向かってジャンプする。 ジャンプして一瞬水上へ消えたマンボウは、着水したあと数秒間、なぜかベタンと水平に倒れたまま水面をチャプチャプしていた ときに、プールでビート板を踏んでバランスをとりながら頑張って立つ遊びをするときの、ビート板の思い通りにならなさを思い出して イーーッ てなった。
ぼこ→凹 ぽこ→凸
