ジャパンスネークセンターに行ってきました! (ハブ採毒とゆるい展示編)

【ご注意ください】
今回もヘビ、ヘビ毒などを含む、生々しい記述があります。
お楽しみいただける範囲でお読みいただければ幸いです。

(前回の記事はこちら

マムシ料理をいただきお腹も満たされたところで、
食堂の隣の建物、採毒室へ。

ちょうど夏休みシーズンということもあり、「−野生のヘビには手を出すな− ヤマカガシに咬まれる人を無くしたい展」が開かれていました。
壁に貼られたヤマカガシの生態や毒性に関するパネル展示を読んで振り向けば、ずらりと並ぶ色とりどりのヤマカガシ生体。
もちろんケージに入っています。

橙色に黒い斑点があるヤマカガシは関東地方で一般的に見られるもので、
西のほうになると体色は青や紺が多くなるそう。
また黒化種や変異もあり、無毒のヘビに似た模様になることもあるそうなので、展示のタイトルにもあるとおり、野生のヘビはいくらかわいくても触らないほうがいいですね……。

あと、ヤマカガシがヒキガエルを食べている写真があったのですが、
両者ともに、食うか食われるかの関係をまるで自覚していない顔でした。
かわいかったです。

そうこうしているうちに、採毒実験の時間となりました。
ガラス張りの採毒室を外から見守る形です。
私が見た回では、ほんわかしたお顔と声のお兄さんが華麗に毒蛇を操っていました。
お兄さん、Tシャツにジーンズというかなりの軽装でした。
ヘビを移動させるための鉤付きの棒で、ちょいちょいハンドマイクのコードをさばいていたのが印象的でした。

まずはハブ。
1.5m くらいありそうな大きなヘビです。
ボテっと展示台に下ろされた後、ガラスに這い寄って観客と目を合わせてくれる、ファンサービスに溢れる子でした。
おとなしくしていましたが、さすがに棒で頭を押さえつけられ首根っこを捕まえられるとじたばたします。

その後は口をこじ開け、ぐるりと観客に見せた後、容器に毒を絞り出します。
……さっき食堂で見た光景でした!
ヘビの違いによるのか採毒者の違いによるのかはわかりませんが、マムシはシャーっと、ハブはポタポタと毒が出ていました。

そういえば食堂でハブ酒も見せていただいたのでした。
大きいのが一匹、朝鮮人参をくわえた愛嬌ある姿で浸かっていました。

ちなみに採毒を終えたハブは、しばらく何が起きたかわかっていない顔でにょろにょろし、その後、軽やかに箱に戻されていました。

次に登場したのはマムシ。
こちらは採毒はなく、実物を見ながら説明を聞きます。
「こんなにちっちゃくてかわいいヘビですが、毎年咬まれて亡くなる方が出ています」
ヘビの可愛さを断言してくださってありがとうございます。
とても居心地がいいです。

「これから咬まれたときの症状の写真を見せるので、苦手な方は目を伏せていてください」
右手にマムシが絡んだ棒、左手にマムシ咬傷のパネルを持つお兄さん。
重症例の写真だったらしく、生々しかったです……。

続いてヤマカガシ。
とてもおとなしい種とのことで、お兄さんが素手で持ち上げていました。
強く掴むとさすがに咬むそうです。
毒牙が口の奥にあるので咬まれても軽症で済むことも多いそうですが、いざ重症化するととても大変です。
痛みや腫れはない一方、傷口や他の色々なところから血が止まらなくなるとか。
昔は無毒のヘビと考えられていたあたり、ヒバカリとは対照的ですね。
ヒバカリは無毒にもかかわらず「咬まれたらその日ばかりの命」という意味で「ヒバカリ」と名付けられてしまった子です。

どの毒蛇にせよ、咬まれたらすぐに病院へ! です。

ひょいひょいと箱にマムシ、ヤマカガシを戻した後は、ふれあいタイムです。
触れるのは無毒でおとなしいアオダイショウ。スネークセンター育ちの子だそうです。
原宿にあるヘビカフェ、東京スネークセンターで好きなときに触りに行っているのですが、それはそれ、これはこれとして触りにいきました。
ジャパンスネークセンター と東京スネークセンターは名前こそ似ていますが、たぶん関係はありません。
アオダイショウ、目がつぶらでかわいかったです……!

採毒実験の後は資料館へ。
ここはかなりのひんやりゆるゆるスポットでした。
ヘビの身体的な特徴、進化の過程や、世界各地のヘビの骨格標本、剥製、液浸標本が展示されています。
ヘビの骨格などの昔から定説が変わらないものは、解説が模造紙にマジックペンで書かれていました。ノスタルジーです。

天井の扇風機のモーター音を聞き、何十年と保管されてきた標本を見て回り……。
マムシの骨格を見て(……ボリボリしてたな)と思ってしまったのはさておき、不気味というのでもなく、時が止まったようというのとも少し違った、異空間でした。

この資料館では、「蛇研の50年」と題した展示が行われていました。
日本蛇族学術研究所のこれまでの研究成果や各方面への協力の記録、開発した血清等が見られます。
50年前の研究室の再現や、当時使われていた調査・実験器具も展示されていて、これが資料館の雰囲気とこの上なくマッチしていました。

資料館の出口の様子。
この「スカット」、私の知らない清涼飲料水です……。

その後、外をぶらぶらとしながら大蛇温室、毒蛇温室と回ってきました。
それら二つの温室の様子は、次の記事に書くとして、外で見つけたものを軽くご紹介します。

「ヘビがいます!」ではなく「ヘビはこの中にいません!」という注意が、ここがどこかを明確に物語っています。

毒蛇温室の外に掲げられていた、「少量危険物貯蔵取扱所」。
ヘビ毒……なら少量どころではないので、それ以外の何かのことだと思います。

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