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焼付・水切乾燥炉に使用するガス代が高い!!何とかなりませんか?

 塗装では、前処理後に水を切るために行う水切乾燥と塗膜を形成するための焼付乾燥が行われる。その工程で使用する燃料はガスである。そのガス代が軒並み上昇している。日本LPガス協会が公表している流通段階におけるLPガス価格推移(下図)によると、コロナ前2018年度は128,100円/tに対して2022年7月度は176,200円/tと1.37倍になっている。製品に塗装する基礎材である塗料単価の高騰に加えガス代、電気代まで上がると製造原価は上がり売り手に対して価格転嫁が行われないと事業者にとってはかなり痛手となる。

出所)日本LPガス協会 2022年度 LPガス価格の推移より筆者作成
https://www.j-lpgas.gr.jp/stat/kakaku/


問題解決策

 この状況を打破するためには、まずは乾燥炉稼働時間、塗装面積、LPガス使用量の把握が必要である。そして、その推移をまとめたらどう削減するか検討するべきである。次に、乾燥炉の点検をお勧めしたい。長年点検をしていない場合、給気フィルターが詰まっていたり、燃焼室にごみ物が堆積している。これらの付着物を除去し、フィルターを交換するだけでも燃焼効率が上がる。さらに乾燥炉から放出される熱源を利用して排水処理水を蒸発させたり、電着塗装で出るUF炉液を蒸発させたり、乾燥炉に断熱塗装を施すことにより熱ロスを削減するなど方法はいくつかある。100万円の対策をして年間100万円ガス代が削減されるのであれば環境にも良いため、すぐにやるべきである。

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