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舞台レヴュースタァライト#4 Climax

「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE-#4 Climax」を千秋楽にて観劇した。劇場版からスタァライトに入った自分としては、九九組舞台の初の生観劇であり、同時に「二層展開式」の舞台としては最後の観劇となった。

タイトルがClimaxだと分かったときから、#4では何が描かれるのか気になっていた。#3では既に別れる覚悟を決め、それぞれの道を歩み始めていた彼女たちにとって、卒業とは何なのか。それを確かめるため池袋へと向かった。

幕が開き、はじめに照らされたのは新国立に挑む4人の姿だった。ああやっぱり、ついに終わるのかと見届ける覚悟を決めた。


Climax

思っていた通り、彼女たちにとって別れは既に乗り越えた苦難であった。では、#4の卒業はどんなものになったのか。それは、元ネタと同じように、華々しいフィナーレであった。

#4でも、舞台少女たちは悩んでいた。香子の確かに正しいと信じて選んだ道に不安になる気持ち、まひるのやっと掴んだ新しいステージが地獄に見える気持ち、氷雨の過去から開放されたい気持ち、どれもリアルで辛い。しかし、同時に、苦しむ彼女たちは舞台少女としてあまりに眩しかった。

それを、華恋は分かっていた。高みを目指し、迷い、苦しむ舞台少女は美しい。だが、それに立ち向かうためには糧にする過去、思い出が必要であると。華恋はそれが分かっていたから、友人たちへレヴューを贈った。それは、いつか友が迷った時に糧となる思い出、集大成としての最大級の今、Climaxだったのだと思う。


激昂

観劇前、初めて綺羅星ディスタンスを聴いた時、最後の華恋のソロ「果てしなき空ひとつ、世界のすべて照らす」に、舞台に背を向けて去っていく寂しそうな華恋の背中をイメージしていた。華恋の、諸行無常を悟ったかのような、悲しさの中に決意を込めたようなこのフレーズが、クライマックスの終わりを告げるのだと、そう思っていた。

そして本番、綺羅星ディスタンスが始まり、誰か(多分ミチルだったと思う)の上掛けが宙を舞った瞬間、この後待ち受けているものが、華恋とひかりのレヴューの決着であることが分かり、同時にあの悲しげな華恋の声がひかりに向けられたものであることも分かった。なるほど、と構えた。

しかし、実際に舞台の上で放たれたフレーズは音源とはまるで異なっていた。それは、ドスの効いた華恋の叫びであった。震えた。あのフレーズは、ひかりへの怒りだったのである。

強い、あまりにも華恋が強すぎる。覚悟の決まった華恋にとって、今を最大限に演じるという行為は、ひかりへの感情を示すことだった。思えば#1、朝も一人で起きられない華恋が初めて飛び入りしたレヴュー、タイトルは「激昂」であった。




新プロジェクトがどのような形かは未知だが、これまでアニメと舞台で「二層展開式」として紡がれてきた聖翔の物語は#4で幕を閉じた。特異な化学反応として、お互いに影響を与え合っていた、2つの物語のフィナーレとしても相応しい、素晴らしい舞台だった。

おわり


そういえば、華恋の残したピンバッジ、さくらちゃんに引き継がれたりするのかな~

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