外務大臣へ11月2日からのイスラエル・ヨルダン訪問にあたるご依頼

上川陽子外務大臣に送付した依頼文を掲載します。


日本政府としてイスラエル/パレスチナのジェノサイドを止めてください
11月2日からのイスラエル・ヨルダン訪問にあたるご依頼

11月2日からイスラエル・ヨルダンを訪問されるにあたり、日本国民としてイスラエル/パレスチナ(以下、両地域と記載)でのジェノサイドを止めるための短期的・中長期的なアクションの実行を強く求めます。

上川大臣は、先月ガザのこどもたちにお会いし言葉を交わされたと存じますが、現在の戦争によってこどもたちが将来の夢を描くことすらできない状況となっていることを強く認識されているはずです。また、イスラエル市民にも多数の犠牲者が出ており、国外では反ユダヤ主義的行為も散見され、若者を中心に絶望感が共有されている状況です。停戦及び両地域の和解は、一刻を争う課題です。

そこで日本政府として以下2点の短期的・中長期的アクションを行っていただきたく存じます。

①今回の訪問でのアクション

今回の訪問にあたり、イスラエル/パレスチナ両地域の要人に以下を伝え、実行していただくよう強く求めます。

1-1. パレスチナ側の要人に対して、ハマスによるイスラエル市民への攻撃及び人質拘束を直ちにやめるよう交渉し、攻撃を非難する声明を出してください。

1-2. イスラエル側の要人に対して、イスラエルによるガザの市民への攻撃及び入植者による西岸地区の市民への暴力を直ちにやめるよう交渉し、攻撃を非難する声明を出してください。

1-3. 両地域の人道支援と人道回廊の確保を引き続き実施できるよう交渉してください。

日本政府は他の西洋諸国と比較して中立的な立場をとることができ、両地域に対して交渉力を有しています。

日本政府がハマスによる攻撃の停止や人質解放に向けてパレスチナ側の要人と交渉することで、イスラエル政府はハマスへの報復として行う攻撃を正当化できなくなるはずです。また、日本政府がイスラエルによるガザの地上侵攻や西岸地区での攻撃を停止するようイスラエル側の要人と交渉することで、両地域の和平交渉の場を整えることができるはずです。

②中長期的な和平を見据えたアクション


中長期的な両地域の和平プロセスにおいても、日本政府は果たすべき役割が大きいと考えます。日本政府として更なるジェノサイドを止めるために、以下の行動を実行してください。

2-1. 国際的に使用が違法とされる武器の取引を禁止するよう国際社会に働きかけてください。

2-2. 和平の提案においては、停戦はもとより、両地域が将来にわたって平和的に共存できるよう以下を推進してください。

  • 両地域の対話の促進

  • ハマスによる国際法に違反した攻撃に対する適切な制裁

  • イスラエルによる国際法に違反した占領、入植に対する適切な制裁

  • イスラエルに対するガザ地区の封鎖解除への働きかけ

  • 本戦争及び過去全ての戦争・衝突によって避難を余儀なくされたパレスチナ難民への帰還支援

  • 反ユダヤ主義及びイスラモフォビアに抗する非難声明の提示


和平交渉にあたっては、一時的な停戦や現状を維持する不均衡な案ではなく、将来的に両地域が共存可能で建設的な案を提示してください。それによって将来の対立激化を防ぎ、両地域での更なる犠牲者の発生や経済的損失を防ぐことにも繋がります。

上記のとおり、日本政府としてジェノサイドを止めるためのアクションとして、①両地域での攻撃に強く反対し、人道支援を継続すること、②両地域の将来的な共存及び和解を目指した具体的な働きかけを実施いただくことを強く求めます。

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