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はじめてのポートランド#5

最終話 2022年の再訪に夢を見て…

前回の話 イケメンを見ながら朝ごはんを食べたりビールを飲んだり街歩きについて記しました。

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▲ ダウンタウンの壁画。アメリカの女子サッカーなんて珍しい!

4日目の朝。
帰路の日がとうとうきてしまいました。私の約30万円を捧げた旅が終わります。

実際、こんなしみったれていられませんでした。
朝5時に起きて、身支度して、スーツケースに荷物を全部つっこんで、ベッドメイキングして、部屋の掃除を多少して、チップも少し置いて…

ようやく、部屋の扉をパタンと閉じて「旅立ち」を感じました。
最後に、1階のダイニングスペースで水を半分飲んで、バナナ1本とパウンドケーキ1切れを食べました。美味しそうだったので、もう一切れを紙ナプキンで包んでカバンの中へ入れました。これは「あとで食べる用」です。

6時45分。宿を出て、ダウンタウンと反対側の方向に歩きます。出勤する人はまばらで犬の散歩か、ランニングする人がちらほらいました。

75番バスの路線は4車線の広い道路にありました。
私はHollywood TC へ向かう側のバス停で、「あとで食べる用」をもぐもぐしながらバスを待っていました。(写真下)

パウンドケーキ

正直、どうバスに乗ったか、車内が空いていたか、私の記憶にほとんどありません。けれど、初日に空港で交通案内のおばさんが言ったことを思い出しました。そしておばさんの言うとおり、バス一本で着きました。

”We Choose Love”

この駅、やたら壁が派手だなーと気づき、それを紹介するボードに目をやりました。"We choose Love Memorial" とタイトルがあり、その下に説明書きがありましたが、じっくり読みませんでした。そんなに重要なことだと思わず、何かメッセージ性のあるモニュメント、壁画アートの一種なのだろうと駅のホームから眺めてました。

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▲ 駅のホームからみたカラフルな鉄橋

帰国してから、私は朝日新聞GLOBE+ のコラムやポートランドの地元紙(ネット版)を読んで、Hollywood TC  にメッセージ性がある理由がわかりました。2017年5月、ポートランド市内の路面電車でヘイトクライムがあり、その被害者や事件を忘れないよう施されました。

行きと同様に乗り換えをして、8時過ぎ空港に到着しました。入って早々、アラスカ航空のカウンターに並び荷物を預けました。私のほかにも日本人が複数人いました。街ではほとんどすれ違うこともなかったのに、一体どこにいたのでしょうか…?

無事、9時30分に出発しました。行き(シアトル発)の飛行機より日本人のおじさんが機内にいて、「おじさん」人気もあるんだなーと感慨深くなりました。
約1時間のフライトは終わり、シアトルに到着。セキュリティーチェックを受けて国際線出発ゲートへ流れます。次の搭乗時刻までおよそ2時間。待っている間にオンラインで搭乗手続きを済ましたり、免税ショップで買い残しがないかチェックしたり、好きな香りのフレグランスを試したりました。心配性の私は、免税店でチョコレートを1袋買いました。

13時20分、トラブル対処のため少々遅れましたが成田空港に向けて出発しました。実は、私、アメリカから出発するANAに初めて乗りました。

機内食 帰り編

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▲ ビーフミートローフを選択。他にハムとチーズの前菜やうどん、サラダ、パン。デザートにハーゲンダッツのアイスクリーム(バニラ)がつきました。

帰り機内食

▲ リガトーニの朝ごはん。他に、フルーツとヨーグルト、好きな飲み物

機内で、ディズニー・ピクサー映画『インサイドヘッド(原題 InsideOut )』を観始めました。ところが、まもなくしてヘッドホンに不具合があることを知りました。私はどうにかして音声を聴こうと差し口のところを指で押さえながら続けていましたが、プラグのところがダメだから何をやっても無理だと諦めて寝ることにしました。
ヘッドホンの不具合以外は特に何事もなく、日付が変わって15時、成田空港に到着しました。荷物をささっと受け取り、行きと同じく京成線に乗車。


お盆休みも終わりに近づき、東京に活気が戻りつつありました。外の気温計を見ると37度。山手線の窓際からもその暑さがわかりました。

私は、これで無味乾燥の日常に戻るのでしょうか?

いや、ポートランドのエッセンスを残しながら暮らしていこう。
それも「暮らしながら旅をする」ことの一つ。


全5回の「はじめてのポートランド」をお読みいただきありがとうございました。2022年開催予定の「世界陸上オレゴン」もいまから楽しみです。

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メモ

□ 路面電車の件のほか、ポートランド市民と街づくりについてよくわかります