「モンタージュ」ー「出来事」と「関係」
秋の夜長に、ではなく、真夏の夜に。カルロ・ロベッリ「時間は存在しない」という本がある。有名なのでご存じの方も多いかと。つまるところ、時間は存在せず、「出来事」と「関係」しかない、ということ。これまた最近、寺田寅彦先生(おもに青空文庫で読んでいる)を読み返しているがかなりの量の「映画」の随筆がある。その中で「モンタージュ」技術がある(「映画芸術」映画の編集過程 )。そんな古い話どーでもいいよ、とおもわれるかもしれない。が、よくよく考えると映画は宇宙であり、宇宙は映画のようなものなのかもしれない。
(1)アパートに帰ってくる、カギを開ける、瞬間、びっくりした顔がどアップになる、部屋をうつす(2)アパートに帰ってくる、カギを開ける、電気をつけて部屋に入り、机の上のメモをみる、顔がドアップになる。基本的に顔が大写しになる順序が違うだけ。(1)では、いつもの部屋の状態ではない状況をみてびっくりした(盗難、死体がころがっているとか)、という意味になる:(2)では、メモに買い物リストが書いてあり、あ!しまった、買うの忘れたのびっくりの意味になる(例えば)。「出来事」と「関係」の順序がちょっと違うだけ。宇宙もそんなもんなのかも。
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