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勤務時間の大半である授業に対して、仕事の充実感を覚えにくい現状だが、そこが公立高校教員として面白いところでもある

 私の担当は高校の専門教科「工業」なので、進学校と呼ばれている高校や普通科高校以外の話ですが、結局どこでも同じようなことなのかもしれません。

授業は思ったように進まない

 教科としての見方や考え方を何とか生徒に身につけてほしいと授業の展開を考えますが、私を含めて良い具合に授業ができている先生はほぼいないのではないでしょうか。もちろん、学習内容や生徒やクラスの気分やノリによって、日にばらつきがあります。

 「知識構成型ジグソー法」など授業の方法はいろいろありますが、なかなかマッチしません。私が注目しているのは『学び合い』(二重カギ括弧の学び合い)です。『学び合い』についてはインターネットで検索してみてください。

 授業の内容に関することは、YouTubeをはじめインターネットのコンテンツが充実しています。有料のコンテンツもありますが、教員の人件費と比較すれば安いものだと思いますし、有料コンテンツを利用することで教員の仕事の負担が減ったうえで生徒の成長につながれば、働き方改革につながり、教員の志望者も増えるのではないでしょうか。

 私は、インターネットコンテンツとスマホやタブレットや、導入されているGoogle Workspaceを使って、今までより効率的で魅力ある授業が展開できないかとあれこれ試しているところです。脱チョーク&トーク。

 あれこれと業務があって、勤務時間内に授業の準備をする時間は取りにくいですよね。

授業準備の手を抜けば、生徒の力は伸びないが、仕事は楽である

 極端な話、手を抜こうが何をしようが、教員の給料は一定です。

 生徒に教科としての見方・考え方が、実はほとんど身についていなくても、担当の授業時間に教室に行って、生徒が真剣に取り組んでいなくても淡々と授業をすすめ、易しい定期テストを作って(場合によっては、定期テストを事前にほぼ公開してまで)、生徒に点を取らせ、評価をつければ、生徒・保護者・管理職の誰からもほとんど文句を言われません。

 正義感、使命感の強い先生は、「今の授業のままではダメだ」と頑張りすぎて、メンタルをやられてしまいます。誤解をおそれずに言うと、「いい加減な(良い加減ができる)先生」くらいが先生をやっていけていると思います。

授業がうまくいかないのは教員側の問題!?

 授業がうまくいかないのは生徒側の問題よりは、教員側の授業の進め方の問題があるとよく言われます。生徒が良くないんではなくて、授業の仕方が良くないんだと。

 しかしながら、もともと中学校まで学ぶのが苦手な状態で入学してきている生徒にとって、中学校までの学習内容をベースとした高校の授業に興味をもって挑めるかと言えば、難しい話です。

 授業の準備にいくら時間をかけても、生徒の意欲喚起はかなり困難な課題です。

 私の教科「工業」の話ですが、学習する内容と生徒の意欲・学習能力の乖離がすごいです。そもそも学習を苦手としてきた生徒が入学してきているのですが、学習する教科の内容としては機械や電気なんです。はっきりいって数学や理科のベースがないと難しいんです。文章を読む基礎的な国語力もいりますね。教員になってから悩み続けている課題です。

 大学の工学部も人気がないですよね。難しいことは避けたいんでしょうね。私も工学部卒ですが、難しかったもんな。

学びか浅い生徒は、自分が置かれている学習状況や生活状況が良いかどうか判断できにくい

 良い教育や良い学校とは、誰がどのように判断するのでしょうか。

 生徒にとっては、あれこれ注意をしたりする先生よりも、放任をしている先生や教科に関係のない面白い話ばかりしている良い先生と思っているかもしれないです。

 保護者にとっては、学習はできなくても楽しそうに学校に行ってくれればそれだけでいい。トラブルをおこさなければそれでいい。高校は卒業してくれるだけでいい。

 教員にとっては?社会一般にとっては?

 学び続けているひととそうでない人の意識の差があります。家庭の経済状況も関係しています。負の連鎖も感じます。いかなる人も学びつづけることが大切です。

学ぶことを苦手としてきた生徒のやる気にさせることができれば、こんなに面白いことはない

 面白いと言ったら適切ではないのかもしれませんが、こういう生徒の成長に関わることが教員としてのやりがいだと思います。勤務時間の大半である授業でもっとやりがいを感じられたら、何と良い仕事だろうと思います。

#教育 #現職教員 #授業 #教師のバトン #スキしてみて

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