地方の普通科進学校の学びが地方の就職につながりにくい
私の担当教科は主要5教科以外の専門教科(工業)です。私自身は普通科進学校と呼ばれる高校を卒業しましたが、勤務する学校は専門高校のみです。最近、最新の普通科進学校の事情に通じているわけではありません。進学校の外から見ての意見であり、私見も多いです。ご了承ください。
あいかわらず普通科進学校が人気
私の住んでいる地域で、いわゆる中学校の勉強で成績が良い生徒は、普通科進学校を選びます。
地方のブレインは、残念ながら都市部に流れる
地方の進学校に進むと、ほとんどは都市部の大学へ進学します。そして、そのまま都市部で就職します。
私の住んでいる地域の進学校の目標は、美辞麗句はさておき、結局「いわゆる偏差値の高い大学により多くの生徒を輩出すること」になっているような気がしています。偏差値の高い大学というのは都市部にあり、そこで学び、年収の高い都市部の企業に就職します。実際に、私の普通科進学高校時代の友人の多くは地元ではなく都市部で活躍をしています。地元に残っている人は、公務員か医者かみたいな感じでしょうか。
学校の勉強の成績が良い生徒が必ずしもすばらしい人生を送っているとは言えませんが、そのような多くの生徒は、諸問題を解決していく力があり、将来的に自分の勤めている企業のあり方や社会に対して現状での課題を見つけ改善していく潜在的な力をもった若者であることは言えるような気がします。その前向きな若者たちが、都市部に行ってしまうことは、結果的に地方の企業の衰退や活力の低下につながっている気がします。
地方で生き生きと活躍して仕事をしている人は、Iターンの人が多い
Iターンで地方を選んで住んでいらっしゃる方は、地方に住み続けている人にはわからない、当たり前と思っている、行っていることを魅力として認識できます。また、Iターンの方は、前向きで意欲的で、情報発信も上手です。地元出身にももちろん魅力的な人はいますが、もっと多くのパイオニアというか、地方の経済をけん引していくような人を育てることができたらいいなと思っています。
どういう生き方するかを学ぶ機会が少ない
大学入試がかわりつつありますが、進学校の現場については私には詳しくはわかりません。しかし、教科の学習も変化・充実させるとともに、故郷を愛するとか、どのような生き方をするのかなどを真剣に学ぶことに、もっと時間を割いても良いのかなと思います。お金は大切ですが、どのような生活スタイルや環境が自分にとって良くて、豊かで、それにはどのくらいのお金が必要なのか。お金を賢く消費して、増やしていくにはどしたらよいのか。
学び続ける大切さ
学習が得意な人も不得意な人も、学び続けることが大切です。個々の力の差はあるでしょうが、いかなる人も学び続ける姿勢が世の中を変えていくと信じています。進学校でも専門高校でも、今後の社会を担う若者が、どのような生活をし、社会をよく社会を形成する若者を育てていくことには変わりないはずです。もっと地方も元気になるような教育の方向性にしていきたいものです。
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