想う心

あの子の様子がおかしくて
心がなかなか寄り添わない

そんな幾日かを過ごした
ある日の早朝

夢を見ていたわけじゃなく
突然あの子に
大きな声で2度呼ばれた

そんな気がする
ではなく
はっきりと
呼ばれた感覚があった

あの子の心は
むき出しの皮膚のように
鋭敏で
わたしの心の些細な動きを
その胸に感じとってしまう

どれだけ大好きでも
それをあの子は時々疑う

こっちを向いて
もっと僕をちゃんと見て

そんな心の叫びが
聴こえた気がした

だからその日は
あの子の様子がどんなでも
温め続けることに決めた

背中をさすり
頭をなで
頬を突っつき
笑顔を向けた

そうしてやっと
いつもの通り
満開の笑顔になった

大好きだよ
どんな時も
忘れないでね

心が寒くて寂しい時は
心の中で呼んでごらん

君の声はわたしに届く

君が思っているよりたぶん
わたしが思うよりもきっと

想う心は近くにあるから

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