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出会い 〜クレインズ池田選手〜

わたしが、ひがし北海道クレインズの池田一騎選手を応援する理由は、自覚していることから、無自覚なものまでたくさんあります。説明のつかないご縁の重なり、心奪われるプレーの輝き。人としての魅力。いつだって目を離すことができず、その姿を追いかけてきました。

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出会いは、彼が駒大苫小牧高校2年生の時のインターハイ。ちょうど地元釧路での開催でした。
その日わたしには、同じ高校、駒大苫小牧野球部とのご縁があり、予め連絡のあった出会いを叶えようとしていました。
そのために、アイスホッケーインターハイの決勝戦が行われる、アリーナへ出向いたのです。

その行動が、わたしの人生に大きな転機をもたらすとは、その時は思いもよらないことでした。
その後の生き方を変えるほどの、大きな大きな想い。まさに心を鷲掴みにされるような瞬間が、そこで待っていたのです。

その決勝戦で池田選手のチーム、駒大苫小牧は、勝利を掴むことが出来ませんでした。敗戦です。

アイスホッケーは延長戦に入ると、どちらかがゴールを決めた瞬間に勝敗が決します。どれだけ熱く互角に戦っていたとしても、その一瞬で、勝者と敗者に、残酷なまでにくっきりと区別されてしまうのです。

勝ったチームの歓喜は天にも昇るほど。負けたチームの落胆は、それ以上に凄まじいものでした。

池田一騎選手は、その当時まだ2年生の選手でした。決勝戦で高校でのアイスホッケーを終えた3年生とは異なり、雪辱の権利を持っていました。

そこから彼は、チームを率いる主将となり、強豪チーム、駒大苫小牧が2年間遠ざかった、日本一への道を走り出して行きました。
まだ、顔も知らない頃のこと。それがわたしの応援の始まりだったのです。

そこからの1年間には、わたしにとって多くの出来事がありました。息子のこと。駒大苫小牧野球部のこと。
その年ほど強い思いで、応援を続けた1年間はなかったように思います。

そして駒大苫小牧アイスホッケー部は、日本一への戦いに臨みました。準々決勝と準決勝は、1日のうちに2試合を行います。体力的にも辛い戦いでしょう。ネットの情報を頼りに応援をしました。そんな気が気でない1日は、ちょうどわたしの誕生日でもありました。大きくて強い気持ちを頂きました。

そして池田一騎主将の率いる、駒大苫小牧アイスホッケー部は、大会の4試合を全て完封で勝利し、見事王座奪還を果たしたのです。

主将としてチームをまとめ、優勝を成し遂げた池田一騎選手の、表に出ることのない苦労や喜び、懸命に歩んだ日々へ思いを馳せ、これからも応援していきたいと、思いを新たにした時でした。



そこから月日は経ち、池田選手はアイスホッケーアジアリーグ、クレインズの選手となりました。わたしの町の大切なチームの一員となったのです。

昨シーズン池田選手は、チーム最多のポイント(ゴール数とアシスト数を合わせた数)をあげ、チームの勝利に大きく貢献しました。今季はキャプテンとなり、チームをまとめていく立場にもなりました。さらには、日本代表としてオリンピック予選を戦い、クレインズのみならず、日本のアイスホッケー界を牽引する存在でもあるのです。

わたしは、ご縁というものを信じています。出会いには意図があり、関わりが強くなればなるほど、そこには意味があるのだと考えます。わたしが池田選手を応援することは、わたしの人生の道のりなのだと思っています。

ひがし北海道クレインズには、選手個人をサポートする、ヘルメットスポンサーというシステムがあります。
応援スポンサーが資金を提供し、ヘルメットにスポンサーロゴのステッカーを貼ることで、その選手を応援していることを宣言します。

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わたしは、昨季に続いて個人で池田一騎選手のサポートを行うことにしました。
それは、池田選手の活躍に心奪われ、歓喜の瞬間をたくさん頂いたことへの対価です。商業的な利益を必要としないわたし個人にとって、彼をサポートすることは、純粋にそれをするだけの価値が、池田一騎選手にあるということなのです。

凄い選手がいる。
わたしにとって。
10年分の想いと、
未来を夢見る喜びを。

ひがし北海道クレインズは、日本製紙クレインズの廃部を経て、その歴史を受け継ぎながらも新たに生まれたチームです。

その日本製紙クレインズ時代、最後のプレイオフひとつ目の勝利に貢献した、先制ゴールを詩にしました。それを終わりに掲載します。思い返しても心が震える瞬間です。前日に負けを喫し、反撃の狼煙を上げる先制ゴールでした。


 狼煙

漆黒に紅の甲冑を纏い
氷点の氷上に立つ
沸点の魂を抱く者

疾風怒濤に駆け巡り
光の矢を撃ち旋回する

燃える火球は囮だ
眩い余り視線を奪う

甚大なる輝きの元
涅色の影は生まれる

闇に氣を忍ばせ
敵の心に孔穴を穿つ

橙色の光を衣に隠し
静粛の蒼を抱く者在り

狼煙を上げる一撃は
天空に光る白銀の如く

研ぎ澄ました
技と心が成し遂げた

我 此処に在り
一騎で千を挫く者なり


2019年2月17日
イーグルス3ー5クレインズ
プレイオフ 1stステージ第2戦

先制点奪取 #92 池田一騎

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