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『謝罪会見』はネットで見る時代に――生配信に対応したメディアトレーニングの必要性


ネット配信により全てが映し出されるようになった「謝罪会見」

企業のトップや担当役員などが記者会見を開き、頭を下げる『謝罪会見』。世間の注目を集める記者会見が開かれた場合、地上波のテレビ局はニュース番組の予定を変更し、生中継で映像を流すことがあります。それに加えてネットでも生配信されるようになり、最近も中古車販売大手の社内不正に関する社長会見、薬物所持容疑で学生が逮捕された大学の理事長会見が生配信されました。今回のコラムでは、ネットで生配信されるようになった謝罪会見において、どのような点に注意すべきかを解説します。

登壇者の一挙手一投足が命取り

これまでも会見登壇者の失言や場にそぐわない仕草、表情が見られた場合、新聞記事やニュース映像で切り取られることがありました。全体を通して大きな問題はなくても、たった一度の不適切な言動で台無しになる点に十分注意が必要でしたが、裏を返せば報道されなかった言動は生活者に知られにくかった面もあります。それが今では、ネットの生配信が一般的になったことで、会見の全てが映し出され、誰でも登壇者の一挙手一投足を見ることができるようになりました。つまり、謝罪会見はこれまで以上に多くの人が見ており、対応も高度化していると言えます。

これらに加えて注意すべきは、ソーシャルメディアへの波及です。謝罪会見で登壇者が不適切な言動をすると、その場面を切り取った映像がすぐさまSNS上で拡散され、生配信を見ていなかった生活者の目にも届いてしまいます。実際、前述した中古車販売大手の会見映像はリアルタイムでSNSにアップされ、「(不正を)経営陣は知らなかった」という趣旨の発言に対し、「とかげのしっぽ切り」「逃げる気満々」など多くの批判が集まりました。対応を誤ると、「お詫びを伝える場」であるはずの謝罪会見でミスコミュニケーションを起こし、それがSNSで拡散されて企業イメージの失墜を招く…という負の連鎖が起こりやすくなっています。

「いざという時」のために平時からメディアトレーニングを

会見内容全てが生配信されるようになった現在、登壇者は少しの油断も許されません。しかしながら、会見は多くのカメラや記者に囲まれる独特の雰囲気で行われるため、緊張やプレッシャーから気を付けていても、中には厳しい質問に対して不用意な発言をしたり、伝えるべき「お詫びの言葉」を十分に発信できなかったりする人を見かけます。また、普段お話が上手い方でも、用意した想定質問にないことを聞かれて、その場で考えた答えが失言につながった、というケースも少なくありません。こうした状況を避けるために、スポークスパーソンとなる人は厳しい謝罪会見を想定したメディアトレーニングを平時から行い、有事の際の記者の反応や、それに対する自らの発言や言動の適切さを確認しておく必要があります。

皆様の組織では、謝罪会見がより多くの方に見られるようになった状況に対応できていますか? 失敗が許されない謝罪会見の場で記者やその先の視聴者に対して、的確にメッセージが届けられるでしょうか? オズマピーアールのコーポレートコンサルティング部には、メディア出身とPRのベテランによるハイブリットな危機管理広報の専門チームがあります。実際に記者として取材してきた経験から、リアルで臨場感のあるメディアトレーニングを実施することはもちろん、企業広報の視点からステークホルダーの方々に納得していただけるメッセージのアドバイスまで行います。「いざという時」に備え、メディアトレーニングをご検討の方はお気軽にご相談ください。

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